「和牛、車エビ好き…ボクシング連盟会長へ接待、リストに」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年8月2日20時52分)から。

 日本ボクシング連盟山根明会長を接待するための「リスト」が、各地の連盟関係者の間で引き継がれていたことが、関係者への取材でわかった。準備する飲食物や会長の好き嫌いなどについて書かれていた。各地の連盟幹部らが日本オリンピック委員会(JOC)などに送った告発状では、大会の開催県に対して過大な要求があったと訴えている。山根会長は朝日新聞の取材に「連盟や自分が指示したことはない」と反論している。

 全国大会が開かれる県などで出回ったリストには「ホテルの会長部屋」として「りんご2〜3個 高級品」「バナナ1房 高級品」「麦焼酎」などと書かれていた。「注意事項」として「肉…和牛肉しか食べない(豚・鳥ダメ)」「車エビ大好き」「目玉焼き…外はカリカリ、中は半熟」などとも記されていた。

 関係者によると、リストは昨年に国体が開かれた愛媛県で作られたとみられるという。同県連盟の関係者は「過去の大会に行った審判らが、会長の部屋に用意されていた飲食物を見て、(愛媛の)担当者がメモにしたと思う。その後、次の開催地の担当者らが参考にしたと思う」と話す。

 今年、高校の全国大会が開かれた宮崎県でも同様のリストが出回ったが、関係者によると、リスト通りの準備はしなかったという。ただ、同県連盟の関係者は「会長の弁当を他と一緒にすると、日本連盟側から『入れ物とか中身とか変えてくれませんか』『水と茶(を冷蔵庫に)入れなきゃいかんのじゃない』などと言われた」と証言する。

 都道府県連盟の幹部や関係者333人でつくる「日本ボクシングを再興する会」の告発状は、助成金の問題や判定への介入、不明朗な決算資料のほか、こうした接待も含んだ計12項目の問題点を指摘している。接待について山根会長は指示を否定し、リストにあった「りんご 高級品」について「自分はりんごはよう食べん」と話した。(黒田健朗、矢崎慶一)