以下、朝日新聞デジタル版(2018年8月22日14時01分)から。
政府は22日、在日米軍が10月1日に横田基地(東京都)に輸送機CV22オスプレイ5機を正式配備すると発表した。国内では、普天間飛行場(沖縄県)に米海兵隊仕様のMV22オスプレイ24機が配備されているが、空軍仕様で特殊作戦を担うCV22の配備は初めて。基地周辺や訓練予定地では、事故や騒音を不安視する声が上がっている。
配備は2019年10月以降とされていたが、米軍が今年4月に前倒しを発表し、具体的な時期の検討を進めていた。今後さらに配備を増やし、2024年後ごろまでに計10機(要員約450人)を配備する計画という。
CV22は、敵地に潜入し人質を奪還する任務などを担う特殊作戦部隊の運搬に用いられる。このためMV22に比べ夜間飛行や、地形に沿って低く飛ぶ能力が強化されている。横田配備機も、低空飛行訓練や小銃・重機関銃の射撃訓練を実施していくとみられる。
訓練場所としては、米空軍が15年に公表した環境影響評価の関連文書で、三沢対地射爆撃場(青森県)▽群馬・新潟・長野3県の周辺空域▽陸上自衛隊東富士演習場(静岡県)▽沖縄県の訓練場▽グアム・アンダーセン空軍基地▽韓国の射撃場――が挙げられている。防衛省によると、米軍は北富士演習場(山梨県)でも実施する可能性があるとしている。また、今年7月には配備予定の1機が訓練のため米軍所沢通信施設(埼玉県)に予告なく飛来しており、「いつどこでどういう訓練をするかは米軍の運用のため分からない」(防衛省)という。
オスプレイを巡っては事故やトラブルが多発。今回の配備予定の1機も6月に嘉手納基地(沖縄県)に向かう途中、エンジン不具合で奄美空港(鹿児島県)に緊急着陸し、部品の取り寄せなどで離陸までに1カ月を要した。(古城博隆)