「虐殺、歴史に向き合う 元首相が追悼文 関東大震災95年」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年9月2日05時00分)から。

 関東大震災から95年となった1日、東京都墨田区横網町公園で、震災時に虐殺された朝鮮人の犠牲者を追悼する式典が開かれた。小池百合子都知事は昨年に続いて式典への追悼文を送らず、参加者から「歴史から目をそむけている」と批判が上がった。

 式典は「暴動を起こした」といったデマが広がり、虐殺された朝鮮人らを追悼するため、市民団体の日朝協会などの実行委員会が開催。今年は約700人(主催者発表)が参加した。

 歴代都知事は毎年追悼文を送っていたが、小池知事は昨年、「特別な形での追悼文は控える」と送付せず、今年も送らなかった。一方、主催者からの要請を受け、村山富市元首相は「暴力で生命を奪われた朝鮮人をはじめとする多くの犠牲者に、深い哀悼の誠を捧げます」と追悼文を寄せ、鳩山由紀夫元首相も「歴史の事実に向き合い、平和な社会をめざす」とメッセージを送った。いずれも式典で読み上げられた。

 墨田区の会社員、小金菜穂子さん(44)は「追悼文が送られないことで、あったことがなかったことになる」と感じて訪れた。「事件を繰り返さぬよう、語り継がないといけない」

 同じ公園内でこの日、都慰霊協会の主催で、震災の犠牲者を悼む大法要も開かれた。例年と同じく副知事が出席し、「ご遺族の皆様に心から追悼の意を表します」という小池知事の追悼文を代読したが、朝鮮人らの虐殺事件に具体的に触れた言葉はなかった。