「図形は英語、計算は日本語…豪州・公立小の珍しい教育法」

 f:id:amamu:20051228113104j:plain

 以下、朝日新聞デジタル版(2018年11月15日13時27分)から。

 オーストラリアで各教科を日本語と英語で半分ずつ教える「日英バイリンガル」の現地州立小学校が注目を集めている。子どもたちは、学年が上がるにつれて日本語力が上達するだけでなく、母語の英語の能力でも好成績を出している。

 「家族は、だれがいますか?」。そう先生が問うと、子どもたちが「おかあさんと、おとうさんと、いもうとと、おとうとと……」と日本語で答えた。

 豪東部クイーンズランド州ブリスベンにある州立ウェラーズヒル小学校。1年生の授業では、家族に関する日本語を学んでいた。大半が白人の子どもたちだ。

 4年生の教室では、先生が電子ボードに漢字を書くと、子どもたちが床に並べたカードを取り合った。カードには、ひらがなで読みが書かれている。5年生になると、日本の小学3年生の漢字を勉強する。

 同校が日本語と英語の両方で教育を始めたのは2014年。日本の高校生をホームステイで受け入れた経験から日本ファンになっていたジョン・ウェブスター校長が「日豪には正直、友愛、信頼といった共通の価値がある」と発案。州立校の運営に大きな裁量を与える同州もすんなり了承した。グレートバリアリーフなど観光が主要産業で近年、特にアジアとのつながりを重視していることが背景にあったようだ。

 日本語自体を学ぶだけでなく、豪州の教育課程に沿って、算数や理科、社会などの科目も、日本人や豪州人の先生たちがそれぞれ半分ずつ教える。算数の立体図形は英語で教えるが、2桁の計算は日本語で教える、といった具合だ。

 2年生からは、日本語の教室では友達同士でも日本語しか話せないルールに。算数では、そろばんも採り入れ、日本語で読み上げる問題を計算する。

 (後略)

ブリスベン=小暮哲夫