「ゴーン前会長への日本の処遇は「宗教裁判」 米紙が批判」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年11月28日09時51分)から。

 日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)が約50億円の役員報酬有価証券報告書に記載しなかったとして東京地検特捜部に逮捕された事件について、米紙ウォールストリート・ジャーナルは27日の社説で、「宗教裁判」だと批判した。

 同紙は、検察によるゴーン前会長の取り調べに弁護士が同席できず、疑惑が次々とメディアにリークされる中、ゴーン前会長が一方的に企業のトップを解任された一連の出来事が「共産主義の中国ではなく、日本で起きたことだ」と指摘。検察が捜査の透明性を高め、ゴーン前会長に自らを弁護する機会を与えなければ、この出来事が「日本経済界の汚点として残るだろう」と記した。

 日本の司法制度では、容疑者を最長20日間勾留でき、別の容疑で再逮捕もできる。同紙はこうした扱いが「詐欺や私的金融取引を行った前歴のない世界企業のトップにではなく、暴力団の構成員にこそふさわしいものだ」とした。

 また、日産の企業としての責任にも言及。ゴーン前会長が絡んだとされる疑惑が事実であれば、日産は「そのことにずっと前に気づくべきだった」と指摘。仮にゴーン前会長や、共謀者とされる前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)が会社に気づかれず容疑を実行していたとすれば、日産は「未公表の報酬よりも、むしろ内部統制に大きな問題を抱えていると思われる」とした。(ワシントン=伊藤弘毅)