「辺野古の地元、与野党が激突 衆院2補選告示 沖縄3区・大阪12区」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年4月9日16時30分)から。

 夏の参院選の前哨戦となる衆院大阪12区と沖縄3区の補欠選挙が9日、告示された。大阪12区には4人が立候補。沖縄3区では米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題が争点となる。統一地方選の後半戦と合わせ、21日に投開票される。

 大阪12区補選は、自民の北川知克・元環境副大臣の死去に伴う。立候補を届け出たのは、無所属での立候補となった共産前職の宮本岳志氏(59)=共産、自由推薦=、維新新顔の藤田文武氏(38)、無所属の樽床伸二総務相(59)、北川氏のおいで自民新顔の北川晋平氏(32)=公明推薦=の4人。

 議席の維持をめざす自民と大阪ダブル選の勢いに乗りたい維新に加え、無所属の2氏が争う構図だ。

 沖縄3区補選は、衆院議員だった玉城デニー氏が知事選に転じたことに伴うもの。自由党が擁立し、社民や共産などの政党、保守系政治団体などでつくる「オール沖縄」勢力が推す無所属新顔でジャーナリストの屋良朝博氏(56)と、自民新顔で元沖縄北方相の島尻安伊子氏(54)=公明推薦=が立候補した。

 選挙区には、安倍政権が米軍普天間飛行場の移設工事を進める名護市辺野古が含まれる。辺野古移設について、屋良氏は反対、島尻氏は容認の立場を明確にしており、辺野古移設の是非が最大の争点だ。(届け出順。年齢は投開票日現在。〈 〉内政党は推薦、カッコ内数字は当選回数)

 ■進み続ける埋め立て

 衆院沖縄3区補選。9日の第一声で、屋良朝博氏は「(辺野古移設ではなく)すぐにでも解決できるプランを提示していく」と訴えた。対する島尻安伊子氏は「普天間の危険性除去を考え、苦渋の選択ではあるが辺野古にいったん移さなければならない」と主張した。

 昨年9月の知事選では「辺野古ノー」を訴えた玉城デニー氏が、安倍政権が全面支援する候補らを破った。2月の県民投票では、辺野古の埋め立ての是非が問われ、投票者の7割超が「反対」に投じた。

 だが、安倍政権は昨年12月、埋め立て予定区域(約6・3ヘクタール)への土砂投入を開始。3月下旬には、新たな区域(約33ヘクタール)にも土砂を入れ始めた。

 一方、北東側の広い範囲の地盤が、軟弱であることがわかった。政府は新たに、砂の杭約7万7千本を打ち込み、地盤改良工事をする計画を立てた。

 石井啓一国土交通相は今月5日、沖縄県が実施した「埋め立て承認の撤回」を取り消した。防衛省行政不服審査請求を受け、軟弱地盤問題などについて「安定工事は可能」と判断した。

 地盤改良工事をするには、玉城知事の承認を得る必要があるが、承認を得られるめどは立っていない。

 ■沖縄3区

屋良朝博 (やらともひろ)  56 無新 フリーライター

島尻安伊子(しまじりあいこ) 54 自新 〈元〉沖縄北方相 〈公〉

 ■大阪12区

宮本岳志(みやもとたけし)  59 無前(4) 共産党中央委員 〈共〉〈由〉

藤田文武(ふじたふみたけ)  38 維新    運動関連会社長

樽床伸二(たるとこしんじ)  59 無前(6) 〈元〉総務相

北川晋平(きたかわしんぺい) 32 自新    企画会社代表 〈公〉