「トランプ氏おもてなし、異例づくし 通商交渉には不安も」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年5月24日20時51分)から。

 トランプ米大統領が25日、来日する。4日間の長期滞在で、安倍晋三首相はゴルフや大相撲観戦、高級飲食店でもてなし、蜜月関係を世界にアピールする狙いだ。一方、通商交渉で世界を揺さぶるトランプ氏の手法には、国内でも不安が広がる。

 今回の来日で、特に注目されるのは大相撲。トランプ氏は26日、夏場所の千秋楽を東京・両国の国技館で安倍首相とともに観戦する。

 現職の米大統領本場所観戦は初めてだが、相撲と日米関係には因縁がある。1854年、開国を求めて2度目の来日をした米国のペリー提督に、江戸幕府が相撲を披露して歓待したといい、外務省関係者は、日米親善の役割を果たしてきたと位置づける。

 大相撲観戦は、これまでの海外要人も楽しんできた。英国のチャールズ皇太子とダイアナ妃は、1986年の夏場所を貴賓席で観戦。大相撲ファンで知られたシラク仏大統領(当時)はパリ市長時代から何度も観戦に訪れ、大統領在任中には福岡や名古屋、大阪での地方場所にも足を運んだ。

 ただ、今回は異例ずくめとなりそうだ。トランプ氏は土俵近くの升席に座るが、座布団は使わず、イスを置いて観戦する。関係者によると、国技館内にはSPや制服警察官ら100人を超える警備要員が入る見込み。警備のために瓶や缶の持ち込みは禁じられ、場内の自動販売機も停止させられるという。

 大相撲報道に長くかかわり、シラク氏への説明役も務めた元NHKアナウンサーの杉山邦博さんは「升席は見やすいが、もしもSPが土俵に背中を向け、立って警備をするなら異様な光景だ。大相撲は庶民の文化であり楽しみでもある。そこに違和感が出るようなことはどうなのか」と話す。スポーツ評論家の玉木正之さんも、トランプ氏が米国大統領杯を授与する予定であることについて、「土俵に上がらなくたって、駐日米国大使に託すなりすれば、まだ混乱は避けられる。政治家としてはアピールしたいのだろうが、ファンからしたら邪魔だ」と話した。

(後略)