「3千万人突破の女性就業者、半分は非正規雇用 賃金低く」

f:id:amamu:20051228113059j:plain

以下、朝日新聞デジタル版(2019年7月30日19時31分)から。

 総務省が30日に発表した6月の労働力調査で、女性の就業者数が前年同月より53万人増えて3003万人となり、初めて3千万人を超えた。男性は同7万人増の3744万人だった。働き手の人数の男女差は縮まりつつあるが、女性の働き手の半分程度は正社員よりも賃金が低い非正規雇用で、賃金面の男女差はなお大きい。

 6月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0・1ポイント改善して2・3%だった。バブル経済期の1989年6月の失業率は2・2%(同)で、就業者数は男性3686万人、女性2553万人だった。この20年で男性の働き手は58万人の増加にとどまったが、女性は450万人も伸びたことになる。

 背景には、女性の社会進出に加え、人手不足に直面した企業側が女性の積極採用にかじを切ったことがある。世帯主の収入の伸び悩みや、増税社会保険料の負担増で家計が苦しくなり、働き始めた女性も多いとみられる。

 自営業主や会社役員を除いた雇用者に占める非正規率は、6月は男性が約23%、女性は約55%だった。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、5月の女性の平均賃金は約19万円で、男性の6割以下の水準だ。

 足元で堅調な雇用情勢だが、変調の兆しも出始めている。厚労省が30日に発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0・01ポイント低い1・61倍で、約10年ぶりに2カ月連続で悪化した。米中摩擦などを受け、おもに製造業で求人を控える動きが出ている。厚労省は「先行きとして悪化していくとは見込んでいない」(職業安定局)としている。(内藤尚志)