「留学した米の高校、校章はキノコ雲 誇る街に問いかけた」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年8月9日10時30分)から。

 長崎原爆のプルトニウムが作られた米国の施設近くの高校で、福岡からの留学生が出た動画が話題となった。「戦争を終わらせた原爆」を誇る住民が多い町で、こう問いかけた。「罪のない人たちの命を奪うことに、誇りを感じるべきでしょうか?」

校舎にも、パーカにも
 動画に出たのは福岡県大牟田市の明光学園高校3年、古賀野々華(ののか)さん(18)。留学先は米ワシントン州リッチランドにある高校。第2次大戦中に原爆を開発した「マンハッタン計画」の拠点の一つで、プルトニウムが作られたハンフォード核施設に隣接している。

 古賀さんは昨年8月から留学した。留学先は仲介業者が決めたため、詳しいことは知らなかったが、学校の至る所にあるシンボルマークのキノコ雲を見て驚いた。生徒たちがキノコ雲を誇りに思っているとも聞いた。

 スポーツチームの応援などでキノコ雲をあしらった服を着ている生徒が多く、自分も学校の一員だと思ってほしいと考え、迷った末にパーカを買った。キノコ雲がどうしてできたのかは深く考えなかった。

 留学して半年ほど。パーカを着ていた古賀さんは、教諭に「キノコ雲が何で作られているのか分かる?」と聞かれた。米国の歴史などについてやりとりしたことがあったショーン・マーフィー教諭からだった。

(後略)

(伊藤繭莉)