「千葉で電話・ネット1万回線なお不通「心臓の持病が…」」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年10月2日19時56分)から。

 台風15号で大きな被害が出た千葉県では、台風通過から3週間が過ぎても、約1万の固定電話やインターネットの回線が不通となっている。携帯電話を持っていないお年寄りは連絡手段を断たれ、不安な生活を送っている。

 「いざという時はどうすれば……」。心臓に持病のある女性(87)は心配そうに話す。山あいの富津市豊岡地区にある自宅では、2日も固定電話がつながらない。携帯電話はない。1月末に心臓発作を起こし、ドクターヘリで救急搬送されたばかり。その時に頼った、電話のボタン一つで親族や消防に連絡できる緊急通報システムは、今も使えない。近くの住民や民生委員が毎日頻繁にたずねてくれるが、「夜は怖い。一日も早く復旧してほしい」と訴える。

 南房総市大井地区の一軒家に1人で暮らす男性(77)は、停電解消後も固定電話が不通だった。20年ほど前から病気で目がほとんど見えない。ケアマネジャーや親族に連絡ができず、身動きが取れなくなった。情報はラジオで入手し、自治会が配ってくれた弁当などを食べて過ごした。ケアマネジャーも様子を見に来てくれた。電話がつながったのは発災から15日後。「ほっとしたよ。これで安心して過ごせる」と話す。

(後略)

(松本江里加、多田晃子)