「河井克行法相が辞任 妻陣営の公職選挙法違反疑惑で」

f:id:amamu:20051228113059j:plain

以下、朝日新聞デジタル版(2019/10/31 8:39)から。

 河井克行法相(56)は31日、7月の参院選で妻の案里氏の陣営が公職選挙法で定められた上限を超える報酬を運動員に支払った疑惑をめぐり、法相を辞任する意向を固めた。同日午前8時すぎ、河井氏は首相官邸安倍晋三首相に辞表を提出。河井氏はその後の記者団の取材に、辞表が受理されたことを明らかにした。


 首相は河井氏の後任に自民党参院議員の森雅子少子化相(55)を充てる方針を決めた。森氏は参院福島選挙区選出で当選3回。2012年12月に発足した第2次安倍内閣で、少子化担当相を務めた。

 安倍内閣では25日に菅原一秀衆院議員が選挙区内で秘書が香典を渡した問題で経済産業相を辞任したばかり。安倍首相の任命責任が改めて問われる事態になった。

 第2次安倍政権の発足以降、閣僚の辞任は河井氏で10人目。安倍政権では最近、萩生田光一文部科学相が2020年度から始まる大学入学共通テストで活用される英語の民間試験について「身の丈に合わせて」、河野太郎防衛相は「地元で雨男と言われた。防衛大臣になってからすでに台風が三つ」と述べるなど失言も続き、野党だけではなく与党からも政権の緩みが指摘されている。

 河井氏は衆院広島3区選出で当選7回。法務副大臣首相補佐官などを経て、9月11日の内閣改造で初入閣した。河井氏は外交担当の首相補佐官の後、2017年には首相が新設した党総裁外交特別補佐を務めるなど首相に近いとされる。また、無派閥だが菅義偉官房長官にも近く、菅氏を支える若手、中堅議員で作る「向日葵(ひまわり)会」を主宰してきた。

 7月の参院選広島選挙区(改選数2)をめぐっては、自民党は6選を目指す現職の溝手顕正・元国家公安委員長に加え、新顔の案里氏を2人目の候補として擁立した。案里氏の擁立は県連は反対していたものの、首相官邸主導で決定。菅氏も2度にわたって広島入りし、案里氏を支援した。その結果、溝手氏は落選し、案里氏が初当選した。

 この選挙戦をめぐり、週刊文春は30日、文春オンラインで、案里氏の陣営が選挙カーから名前などを連呼する運動員13人に対し、公職選挙法で定められた上限額1万5千円を超える3万円を報酬として支払ったと報じていた。