「桜を見る会、批判応じぬ政権が示す「国の衰退の始まり」」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019/12/4 22:00)から。

 国の税金を使った「桜を見る会」に安倍晋三首相夫妻らの「身内」が多数招待され、その名簿の公開を求められた当日に官僚が廃棄する――。私たちが選んだ政権と、政権を支える官僚のこうしたふるまいを、齋藤純一・早稲田大教授(政治学)は「国の向上は終わり衰退が始まる」兆候と指摘する。どういうことなのか。寄稿してもらった。

さいとう・じゅんいち 1958年生まれ。政治学者、早稲田大政治経済学術院教授。著書に『不平等を考える』『公共性』『自由』など。

よみがえるミルの言葉
 「競合する全勢力を抑え込み、すべてを自分と同じ鋳型に流し込むのに成功してしまうと、その国の向上は終わり衰退が始まる」。19世紀英国の哲学者、J・S・ミル『代議制統治論』の一節である。「抵抗を受ける可能性のない人」は、「理性」を必要としなくなり、代わりにその「意思」を押し通すようになる。「間違っていると告げてくれる人の話を聞けば、苛(いら)立ってしまう」

(後略)