「共通テスト記述式、17日に見送り表明 入試改革は頓挫」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019/12/17 6:30)から。

 2021年1月に始まる大学入学共通テストで導入される国語と数学の記述式問題について、萩生田光一文部科学相は17日、実施の見送りを表明する。複数の関係者が明らかにした。採点ミスなどの課題が解消できず、安心して受験できる体制を整えることは困難と判断した。今後、萩生田氏の下に会議を設置し、対応を検討する。

国・数の記述式見送り、文科省が表明へ 大学共通テスト

 記述式問題をめぐっては、約50万人の受験生の答案を採点するため、民間委託で1万人近い採点者が動員される。採点者の質の確保に加え、特に国語では受験生による自己採点が難しく、実力にあった出願先を選びにくくなるなどの懸念があった。

 文科省は実施に向けた改善策を検討したが、▽採点者が決まるのは本番直前の秋から冬になる▽元教員らによる指導体制をつくっても、採点ミスの可能性が消えない▽自己採点の不一致を大幅に改善するのは困難、との理由から「受験生の不安を払拭(ふっしょく)できない」と断念した。思考力や表現力を評価する記述式問題は重要との考えは変えず、共通テストでの導入は見送るが、各大学独自の入試では、記述式の積極的な活用を呼びかけていく。

 政府は11月1日に英語民間試験の活用見送りも表明しており、大学入試改革は二枚看板を失うことになる。(矢島大輔、寺本大蔵)