「「トランプ氏の罷免を」キリスト教福音派の有力誌が論評」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019/12/21 10:42)から。

 米国最大の宗教勢力とされるキリスト教福音派の有力誌「クリスチャニティー・トゥデー」が米下院で弾劾(だんがい)訴追されたトランプ米大統領を罷免(ひめん)すべきだとする論評を掲載した。同派はトランプ氏の有力な支持基盤で、来年の大統領選に影響を与える可能性もある。

 トランプ氏は20日、ツイッターで同誌を「極左雑誌」と呼び、「もう二度と読まない!」と宣言した。

 同誌(電子版)は19日の社説で、トランプ氏が来年の大統領選でライバルとなる可能性がある民主党のバイデン前副大統領の信用をおとしめるためウクライナの大統領に圧力をかけたと断じ、「憲法違反であるだけでなく、極めて不道徳だ」と非難した。

 ツイッターに日常的にうそや中傷を書くなど、トランプ氏は道徳心を失い、混乱した人物の実例だと指摘。連邦最高裁判事に妊娠中絶に否定的な保守派を指名したことなどの「実績」を勘案しても、「トランプ氏を上院(の弾劾裁判)で罷免するか、次の選挙で落とすか、良識で判断すべき問題だ」と主張している。

 キリスト教福音派は米人口の4分の1を占めるとされる最大の宗教勢力だ。同誌は、同派の指導的牧師として保守派に強い影響力を持ち、トランプ氏を支持したビリー・グラハム氏(2018年2月に死去)が創刊した。ただ、トランプ氏の中核的な支持層より同誌は中道寄りで、「重大な変化にはつながらなそうだ」(ニューヨーク・タイムズ紙)との見方もある。

 トランプ氏は、エルサレムイスラエルの「首都」と認めて米大使館を移転させ、親イスラエルの傾向が強い福音派の支持固めに力を入れてきた。それだけに「私ほど福音派のために働いてきた大統領はいない。民主党からは何も得られない」と20日のツイッターで訴えた。トランプ陣営は同日、大統領選に向けて、全米の福音派の支持者の結束を求める運動を年明けから始めると明らかにした。(ワシントン=渡辺丘)