「赤枝前議員、東京医大に合格「依頼した」10年で20人」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年12月31日17時22分)から。

 東京医科大の不正入試問題をめぐり、自民党衆院議員の赤枝恒雄氏(74)が31日、「10年ほど前から、約20人の同窓生の子の合格を臼井正彦前理事長=贈賄罪で在宅起訴=に依頼した」と朝日新聞の取材に答えた。赤枝氏は同大の卒業生で、同窓会の役員も務めており、「合格依頼が許されないとは思っていなかったが、今になってみれば募集要項で公にせず優遇するのはいけないと思う」と語った。

 東京医科大が設けた第三者委員会は29日に公表した最終報告書で、政治家から受験生に関する依頼があった可能性を指摘したが、個人名は挙げなかった。赤枝氏は第三者委から聞き取りをされていないという。

 赤枝氏によると、約10年前に同窓会募金委員長を務めるようになり、地方などを回って同窓生に会うことが増えた。その際、子どもが合格するよう口利きを求められ、臼井前理事長(当時は学長)に依頼するようになったという。赤枝氏が2010年に同大理事に就任、12年に衆院議員に初当選した後も続け、依頼した受験生は約20人に上る。臼井前理事長に電話で依頼した際は「紙に書いて送って」と言われ、受験生の名前や生年月日、親の職業や特徴などをまとめ、ファクスや手紙で伝えたという。

 臼井前理事長は「1次(試験)は受かってくれないと」と繰り返していたという。赤枝氏は「2次(試験の結果)で並んだ時に優遇してほしいという思いがあった。同窓会として金を集める必要があり、同窓生の子が入学すれば、寄付も入ると思った」と話した。依頼した受験生が合格したかどうかは聞いておらず「1次は通ったのに2次で落ちた」と話す親もいたという。

 第三者委の報告書では、「国会議員に、受験生の名前などを記載したファクスを送った」と話す関係者がおり、臼井前理事長がこのファクスを保管していたことや、13年度の看護学科の入試で、臼井前理事長が「(別の)国会議員からの依頼があった」として、特定の受験生の合格を指示したと指摘している。この受験生は上位者を超えて補欠合格していたが、赤枝氏は「記憶にない」と話した。

 第三者委は、受験生側からの大学への寄付金と特定の受験生への優遇の間にも関連性を指摘した。赤枝氏は「寄付金額について話したことはない」と述べた。

 赤枝氏は産婦人科医で「六本木の赤ひげ先生」として知られる。12年の衆院選自民党公認として立候補し、東京比例区から初当選。14年も再選したが、17年の衆院選では立候補しなかった。(貞国聖子)