「「現行法では見送りたい」 北九州市長、カジノ誘致断念」

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以下、朝日新聞デジタル(2020/1/31 17:30)から。

 カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を、北九州市が見送った。北九州市側が手を挙げたわけではなかったが、海外の事業者らが相次いで同市を訪れ、新幹線の駅に間近なIR構想を提案。他都市の構想にない利便性の高さから注目を集めたが、北橋健治市長の2023年2月までの任期中に誘致されることはなくなった。

 市側は1月24日までに事業者の提案を精査し、「実現は極めて困難」との見解を市議会側に伝えていた。市議会側の反応を確認したうえで、北橋健治市長は30日の定例記者会見で「現行のIR整備法の下での誘致は見送りたい」と正式に表明した。

 IRの誘致は、中国や米国の3事業者が提案。JR小倉駅北口などを候補地とする内容で、投資額の積算根拠や資金の調達方法などを事業者からの回答に基づき市が精査していた。

 誘致見送りを判断した理由を、北橋市長は「売り上げ収益の実現性に乏しい」「投資規模が大きく、安定的、継続的な運営に確証が持てない」と説明。2023年2月までの自身の今任期中に、IRに関する国の基準が見直される可能性は低いとし、「いったん、これで見送らせていただきたい」と述べた。

 北橋市長はIRに中立姿勢を示していた。しかし、人口減少に歯止めがかからない状況から脱却するための起爆剤として、地元経済界や自民党を中心とした一部市議からIR誘致を求める声が上がり、市が事業者の提案を検討していた。(井石栄司)