「ヤジ謝罪→疑惑紛糾 「こんな議論、子どもたちに見せられない」」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020年02月17日)から。

 17日の衆院予算委員会は、一国の宰相がヤジを飛ばしたことを謝罪するという、異例の幕開けとなりました。ただ、終日の審議が終わってみれば、平行線をたどる質疑と答弁が繰り返されるばかり。気色ばむ安倍晋三首相と退席する野党議員――という図は、国会見学に訪れる子どもたちの目にどのように映るかなと心配になりました。

 「不規則な発言をしたことをおわびします」。冒頭、首相は野党議員にヤジを飛ばしたことを謝罪しました。ヤジを飛ばした12日から今に至るまで、謝罪するのか否か、どのような言葉を述べるのかが注目されてきました。首相はこの日の審議冒頭、「厳に慎むよう、総理大臣として身を処して参ります」と語り、低姿勢で審議に臨む考えを表明したように見えました。

 しかし、その後の審議は「桜を見る会」についての一連の疑惑をめぐり、たびたび紛糾。首相の答弁も、さほどの変化はありませんでした。棚橋泰文衆院予算委員長の「頼むからご静粛に」という声がむなしく響くなか、質問と答弁がかみ合うことはほとんどありませんでした。

 そんな国会審議について、与党のある予算委メンバーはこう漏らします。「こんな議論、子どもたちには見せられない」。小学生らが見学に訪れる立法府として情けない――。そんな本音がにじみます。

 新年度予算案を審議する衆院予算委は、山場にさしかかっています。「将来の夢は首相」と多くの子どもたちに思ってもらえるような骨太な国会議論が展開されれば、今とは違った風景が広がる気がします。