「丸投げする首相、あいまいな法相 混迷する検察庁法改正 検察庁法改正案」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2020年5月23日 5時00分)から。

 黒川弘務・東京高検検事長の辞職を受け、22日の国会では、政府・与党が今国会の成立を見送った検察庁法改正案への批判が相次いだ。答弁に立った安倍晋三首相は正面から説明することはなく、法案自体はいったん廃案にする対応策が浮上している。
「適正なプロセス経た」と主張
 法解釈の変更まで持ち出して定年を延長させた東京高検検事長が、唐突に辞職する前代未聞の事態。黒川氏への処分は妥当だったのか。そもそも定年延長は適切な判断だったのか――。22日の国会ではそのことが問われた。
 「法務省に質問して頂ければと思うところでありますが……」。首相は衆院厚生労働委員会での野党の追及に対し、法務省検察庁に責任を「丸投げ」するような答弁を繰り返した。
 黒川氏の辞職を認めた理由を問われると、「森(雅子)法相より報告があり、それを認めた」。黒川氏への訓告処分が軽すぎるとの指摘には、「(稲田伸夫)検事総長が諸般の事情を考慮し判断し、私も了とした」と語るのみだった。
 黒川氏の定年延長には「違法」との批判が上がる。なぜ異例の定年延長をしたのかについても、「法相からの閣議請議により閣議決定されるという適正なプロセスを経た」と手続きの正当性を説明するにとどめた。
 説明責任を任された森氏だが、この日もあいまいな説明を繰り返した。

 

  (後略)

(斉藤太郎 石井潤一郎、相原亮、小林豪