「バンクシー「デモ隊も銅像に」 奴隷商人像の投棄に提案」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020/6/10 6:24)から。

 謎の路上芸術家、バンクシーが9日、自身のインスタグラムに新たなスケッチ画を投稿した。故郷の英西部ブリストルで、人種差別に抗議するデモ隊により港に投棄された奴隷商人像の扱いが問題になっていることを受けて、銅像を元の場所に戻した上で、引き倒そうとしたデモ隊も銅像にすることを提案している。

 バンクシーは、銅像を4人で引き倒そうとしているデモ隊の様子のスケッチ画を投稿。「ブリストルの真ん中にある空の台座をどうすればいいか? 像がなくなって寂しく思う人もそうでない人にも対応するアイデアを示そう。像を水中から引き揚げ、台座に戻し、首に縄をかけて引き倒そうとする人たちの等身大の銅像も置けばいい。これでみんな幸せ」というコメントを添えている。投稿から3時間で「いいね!」は100万件を超えた。

 米国で白人警官が黒人男性を暴行死させた事件をきっかけに、抗議デモは英国でも広がっている。ブリストルでは7日、17世紀に約8万人の黒人をアフリカからアメリカ大陸に送る奴隷貿易で財をなしたとされるエドワード・コルストンの銅像がデモ隊に引き倒され、港に投棄された。パテル内相は「まったく恥ずべき行為だ」と非難したが、ブリストルのリース市長は「銅像は人々への侮辱だった」と語り、デモ隊に理解を示した。

 地元ではもともと、銅像の撤去をめぐり賛否が割れていた。リース氏は今後、銅像を港から引き揚げ、市の博物館に展示する考えを示していた。(ロンドン=下司佳代子)