「赤木さん妻、法廷で陳述 震える声は涙声に変わった」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2020年7月15日 19時23分)から。

学校法人森友学園大阪市)をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、同省近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54)が自死したのは改ざんに加担させられたからだなどとして、国と佐川宣寿(のぶひさ)・元同省理財局長に計約1億1200万円の損害賠償を求めて提訴した妻の赤木雅子さん(49)は15日、大阪地裁であった第1回口頭弁論で意見陳述した。
 午後2時、大阪市北区の大阪地裁。一番広い202号法廷に、雅子さんは紺色のジャケット姿で一礼して入室し、弁護団のとなりに座った。
 「それでは始めます」。開廷を告げた裁判長に促され、証言台前の椅子に「失礼します」と言ってすわった。
 用意した紙を取り出し、読み上げた。「決裁文書を書き換えることは犯罪です」「国は再調査を実施して、正直に全て明らかにしてください」
 約10分間あった陳述の終盤、それまではっきりした口調だった声が震え始めた。「安倍首相、麻生大臣、私は真実が知りたいです」――。
 時折沈黙しながら、震える声が涙声に変わったのは2018年3月7日、自ら命を絶った夫俊夫さん(当時54)の最期の様子におよんだ時だった。
 「夫は亡くなった日の朝、私に『ありがとう』と言ってくれました」「最期の夫の顔は『絶望』に満ちあふれ、泣いているように見えました」
 「事実を明らかにしてください。公正な判決を下してください」。陳述の最後をそう結んだ。(遠藤隆史)