「学術会議の任命拒否 「立憲デモクラシーの会」が撤回求め声明文 抗議集会も」

以下、東京新聞(2020年10月07日 05時50分)より。

日本学術会議の新会員任命見送りについて記者会見する「立憲デモクラシーの会」の(左から)山口二郎石川健治、長谷部恭男、杉田敦の各氏

◆「学問の自由の侵害」
 菅義偉首相が日本学術会議の新会員候補6人の任命を拒否した問題で、憲法学者政治学者でつくる「立憲デモクラシーの会」が6日、「専門領域の研究者の評価を政府が覆すことは、学問の自由の侵害である」として、任命拒否の撤回を求める声明文を出した。
 任命拒否された東京大大学院の加藤陽子教授と東大の宇野重規教授は、同会の呼び掛け人。会の共同代表の山口二郎・法政大教授らメンバー5人は同日、東京・永田町の衆院議員会館で記者会見した。

◆政府からの独立性尊重すべき
 声明文では、日本学術会議法は同会議が「独立して」その職務を行うものとし、政府からの独立性を尊重すべき旨を明確にしていると指摘。「現政権が学問の自由を掘りくずそうとしているのではないかとの強い懸念を与える」とした。
 2011~17年まで学術会議会員だった法政大の杉田敦教授は会見で「多くの研究者が政策に関わる発言をしないほうがいいと考えれば、政策の検証や助言はできなくなってしまう。波及効果はかなり大きく、学術会議だけの問題ではない」と危機感を示した。
 山口教授は「学問が戦争に加担した反省の上に設立された日本学術会議の成り立ちを否定する意図があり、民主主義の多様性を破壊する」と批判した。

◆官邸前で抗議集会
 首相官邸前では6日夜、市民団体が抗議集会を開催。参加者は「学問の自由を守れ」「学術会議介入するな」などと書いたプラカードを掲げた。台東区の団体職員稲葉美奈子さん(36)は「首相の横暴な対応に怒りを感じる」と話した。(砂上麻子)