首相自身が首相にとどまっていることが「緊急事態」であると「宣言」せざるをえない

緊急事態宣言が11都府県*1に拡大された。
夜7時からの菅首相の「記者会見」なるものをテレビで見た。
首相が国民に対して「緊急事態宣言」を発出したということになっているようだが、政府がこれまで何をしてきたのか、いま何をやりたいのか、今後何をやろうとしているのか、ちっともわからない。こんな「記者会見」なら、むしろ菅首相自身が「緊急事態」であると首相に向かって「宣言」せざるをえない。
菅首相が在任する限り、その分、国民の死者が増えるであろう。即刻、退陣を求め、能力のある指導者にかわってもらわなければならない。といっても日本の今の政治状況ではそう簡単に行かないところがまさに「緊急事態」だ。

相変わらず菅首相のパフォーマンスは下手くそだ。
だが、今回はそのことを指摘しているのではない。

一番指摘しなければならないことは、国民の命を守ろうという「覚悟」が首相に感じられないということだ。菅首相は、国民の命を考えているようには全く見えない。これは「見えない」だけではなく、本当にそういう気持ちがないのだと思う*2。これは個人的な意見だし、個人的な憶測であるから、極めて主観的なものだ。だけれども、菅首相の「記者会見」なるものを見て、いままで以上にそう感じざるをえなかった。実際、こうした首相に国民の命を預けている現実に関して深い恐怖を覚えた。

国民の命を守ろうという「覚悟」が首相に感じられないことは「記者会見」の持ち方にも表れている。

「記者会見」の内容もさることながら、「記者会見」なるものの段取りも問題だ。マスコミ支配を最大限に強めた菅政権は、記者による自由な言論を圧殺している。自由な質問も許さないし、追加質問はおろか突っ込む質問など厳禁である。「それでは大変恐縮ですが、次の日程がございますので、あと一問とさせていただきます」と女性司会者*3の冷たい声が響いて40分ばかりの「記者会見」なるものを一方的に終わらせた。「いま挙手されている方につきましては各一問メールでお送りください。のちほど総理の回答を書面でお返しをさせていただくとともにホームページでも公開をさせていただきますのでどうぞご理解いただきますようお願い致します」と再度冷たい声が響いた。記者の先には多くの国民が存在しているという認識など全くないようだ。政府がこれまで何をしてきたのか、政府はいま何をやりたいのか、政府は今後何をやろうとしているのか、知りたいと願う国民の関心以上になにか大事な「次の日程」などあるのだろうか。

この「記者会見」なるものを見た感想は、一刻も早く、菅首相には退陣願って、国民の命を守ってくれる政権にしなければならないということだ。
実際、命を守ること、生きる権利を擁護すること以上に「緊急」な「事態」があるであろうか。無能な政権の無策による感染拡大・死亡者増大はコロナ禍においては、もはや人災という他なく、政権交代は命を守るための待ったなしの緊急課題となっている。これは全くの皮肉でなしに、菅首相が首相にとどまっていること自体が「緊急事態」であると「宣言」しなければならない。

*1:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、大阪府兵庫県京都府、愛知県、岐阜県、福岡県、栃木県

*2:いつものように相変わらずカンペを見ていた。私はこれを「神(紙)」にスガると言っている。

*3:内閣人事を詳細に把握しているわけではないので、この声の持ち主が誰であるのか知らなかった。しかし後日東北新社による接待問題で、この声が山田 真貴子内閣広報官による声ということがわかった。菅首相による官僚支配とマスコミ支配の結果としての内閣広報官人事配置なのだろう。