以下、朝日新聞デジタル版(2021/1/26 13:24)から。
2月に秋田県鹿角市で予定されている第76回冬季国体スキー競技会(鹿角国体)について、秋田県が、ほかの主催団体に開催中止を求めていたことがわかった。佐竹敬久知事は26日、参加選手が新型コロナウイルスに感染した場合に医療を提供する余力がない点を強調し、「物理的に開催は不可能だ」と述べた。
鹿角国体は、地元の県、市のほか、文部科学省、日本スポーツ協会、全日本スキー連盟の主催。2月18~21日に4種目の競技を無観客で実施し、選手ら約1800人が参加することになっている。県スポーツ振興課によると、22日以降、他の主催団体に早期の中止決定を求めているが、結論が出ていないという。
佐竹知事は26日、「(選手や大会関係者から)もし感染者が出た場合、医療的な対応ができない。プレハブで病棟をつくっても、設備はどうするのか。あの地域は医療従事者の数が本当に厳しいところで、1人もさく医師がいない」と話した。
また、佐竹知事は選手の宿泊施設についても、風呂が個室対応になっていない点を指摘し、「今の状況でリスクがあるものは避けた方がいいのが常識。物理的に不可能なものはどうしようもない」と述べた。
開催に向けて定められた新型コロナの感染防止ガイドラインでは、県独自の感染警戒レベルでレベル3が発令された場合や、県内の医療機関が感染者を受け入れられない恐れがある場合は、主催者が開催の可否を協議することになっている。県は18日に警戒レベルを3に引き上げた。(佐藤仁彦)