「ミャンマー、80人以上殺害か 市民19人に死刑判決も」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/4/10 22:51)から。

 クーデターで国軍が権力を握ったミャンマー軍事法廷は8日、戒厳令が出ている地域で国軍関係者を殺傷したとして、市民19人に死刑判決を下した。国軍系テレビが9日夜に伝えた。戒厳令下での死刑判決は初めてとみられ、抵抗を続ける市民を萎縮させる狙いが透ける。また、ロイター通信は10日、9日に80人以上が治安部隊によって殺害されたと伝えた。

 国軍系テレビによると、19人は「国軍記念日」の3月27日、国軍関係者2人を戒厳令下にあるヤンゴンの北オカラッパで襲撃。1人を殺害し、1人にけがをさせ、バイクや武器を奪ったとして死刑判決を受けた。19人のうち17人は指名手配中で、当事者不在のまま判決が出た。

 国軍は3月14日から15日にかけ、大規模な抗議デモが続いていたヤンゴンの6地域に戒厳令を発令し、行政、司法の権限を地域の軍司令官に移譲。重罪は軍事法廷で裁き、上訴もできなくした。国軍の意に沿った判決によって、市民を弾圧する懸念が高まっていた。

 また、ロイター通信によると、中部バゴーで9日、治安部隊が80人以上の市民を殺害し、小銃てき弾も使用したという。市民のデモは10日も各地で続いた。第2の都市マンダレーで学生らが抵抗を示す3本指を立てて行進する画像などが、SNSに流れた。

 一方、国連安全保障理事会は9日、ミャンマー情勢を議論する非公式会合をオンラインで開催。国軍批判を続けるミャンマーのチョーモートゥン国連大使国民民主連盟(NLD)の議員らも発言し、国軍に圧力をかけるよう国際社会に改めて求めた。

 2月に国連総会の演説で国軍を批判したチョーモートゥン氏は、9日の会合でも市民に対する国軍の暴力を「受け入れられない」とし、「遅滞なく最大限の措置を取ってほしい」と安保理を含む国際社会に要請。具体策として、難民申請者の支援▽ミャンマー市民の生活圏における飛行禁止区域の設定▽武器の禁輸などを挙げ、最後は「プリーズ」と3回くり返した。(バンコク=福山亜希、ニューヨーク=藤原学思)