David Byrne のコンサート映画 "American Utopia"(2020年)。
そのSoundtrackからの一曲"I Zimbra"は、Talking Heads の アルバム"Fear of Music"(1979年)からの一曲。
映画 "American Utopia"の中のMCでバーンはKurt SchwittersとHugo Ballなどナチスの弾圧に抗したダダイズムのアーティストたちについて触れながら、ステージが生演奏であることの説明のあと、 'I Zimbra'を演奏する。そのダンスは、まるで日本の民族舞踊のひょっとこ踊りのようで大変興味深かった。David ByrneとSpike Leeのインタビューで、Byrneが女性ダンサーは沖縄かどこかの日本の民族踊りからヒントを得た動きを入れていると言っていたので、当たらずとも遠からずということになる。
”Talking Heads ”The Band & Their Music by David Gans"でDavid Byrneは"I Zimbra"について次のように語っている。
Byrne: This was inspired by an African record called 17 Mabone. It has guitars and fiddles and saxophones, completely unlike some of the African music that's [better] known, like Fela and Sunny Ade. It's almost like British reels or something like that. So we took it as a point of departure...
(p.70 "Talking Heads" by Dagid Gans)
(拙訳)
バーン:これは「17 Mabone」という一枚のアフリカのレコードによって触発されたもの。ギターとフィドル、サクソフォンが入っていて、フェラ*1とかサニー・アデのようによく知られたアフリカ音楽とは全く違うものだった。ブリティッシュ*2でいえばリール*3のような感じ。それで私たちはそこを出発点とした。
映画 "American Utopia"の自身のMCでも語っていたが、 同書では続けて、ダダイズムのHugo Ballによる音的におもしろいナンセンスの詩*4を使ったらどうかと、Brian Enoに提案され、いい感じだったので、使わない理由はないと判断したと述べている。
以下、1983年の Letterman Show での"I Zimbra"の演奏。
Talking Heads - I Zimbra live - Letterman 1983 (Higher Quality) - YouTube