以下、朝日新聞デジタル版(2021/7/9 17:30)から。
新型コロナ対策の休業要請などに応じない飲食店に金融機関から働きかけてもらう考えを西村康稔経済再生相が示したことに対し、金融機関の間で戸惑いが広がっている。法的根拠があいまいなうえ、お金を貸す強い立場を背景にした「優越的地位の乱用」とも受け止められかねないためだ。
「我々に『自粛警察』をしろというのか。取り下げてほしい」。ある地方銀行幹部は発言にこう憤る。
大手金融機関の首脳も9日、朝日新聞などの取材に対し、西村氏の発言への違和感をこう語った。
「我々に監視役をやれというのか。それが我々の本来の仕事なのだろうか」
「資金繰りをどう支援するかが我々の任務だ。自粛要請が徹底されない現実への問題意識は理解するが、筋が違うんじゃないか」
別の大手首脳も「感染防止に企業市民として協力しましょう、と大まかな方向性については飲食店と話せるかもしれない」としつつも、「(酒の提供などの)個別の話をするのは難しい」と取材に語った。メガバンク行員は「資金を引き揚げるようなことはダメだし、酒の提供も最終判断は飲食店がする」と言う。
(後略)