「映画『パンケーキを毒見する』菅総理のお膝元&市長選公示前日の横浜で舞台あいさつ」

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パンケーキを毒見する

以下、oricon news(2021年08月07日 18時27分 更新)より。

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 “菅首相の素顔に迫る 前代未聞の政治バラエティー”映画『パンケーキを毒見する』公開記念舞台あいさつが7日、神奈川・横浜ブルグ13にて行われ、元朝日新聞記者で政治ジャーナリスト・鮫島浩氏、河村光庸プロデューサー、内山雄人監督が登壇した。菅総理のお膝元である横浜の映画館、かつ今後の政権運営にも多大な影響をおよぼすと言われている横浜市長選挙公示前日ということで、内山監督は「どういう風にこの作品を横浜の方がごらんになるのか楽しみです。また、菅さんも関わる市長選だけにその結果にも注目しています」と関心を寄せた。

 世界が未曾有(みぞう)のコロナ禍に陥るなか、国民の命と激動の時代の舵取りは、この男に託された。日本アカデミー賞作品『新聞記者』や、東京国際映画祭作品賞(スプラッシュ部門)『i-新聞記者ドキュメント-』で官邸政治の闇や、菅首相(当時官房長官)をウォッチしてきたスターサンズが、“今、一番日本人が知りたいこと”菅首相の正体に迫った政治バラエティーとなっている。

 記者時代、かつて菅総理を担当していたという鮫島氏は「まさにコロナ禍の今、日本の舵取りをこの人に任せていいのかを問う作品なので、多くの人がこの映画を観て日本の政治を考え、来たるべき総選挙で大事な一票をどう投じるか、考えるきっかけにしてほしいです」とあいさつした。

 菅氏が横浜の“影の市長”と呼ばれていることは、撮影をするまでは知らなかったという内山監督は「調べれば調べるほど、(横浜では)力を持っていることがわかった」と言い、ある種アウェーな場所での上映に感慨深そうな表情。河村Pは「この映画を観て、なにかの考えをもってもらえれば。明日からの横浜市長選挙でも菅さんは、IR(統合型リゾート)の考えを見事にひるがえした。ある人に言わせれば、菅さんは『裏切りの政治家』と呼ばれているといいます。政治力学で動く政治家がトップで果たしていいのかをこの作品は問うている」と強く訴えた。

 オフレコの場でも面識がある鮫島氏は、菅総理の最初の印象について「15年前の菅さんは、安倍(晋三)さんや麻生(太郎)さんなどの大物とはまったく違う、どこにでもいるいち国会議員でした」と振り返る。「菅さんは都市部の住民が喜ぶ政策を次々にやり、人気を得ました。風貌と違って、ある種のポピュリズムのところがある。世論に敏感な政治家でした」と初期の菅氏を分析。そして「一言でいうと、冷徹なリアリスト。情にほだされない。利害でモノを考えるので、信念はないんです」と現役総理の人間性を評す。

 それこそ当初はパンケーキ愛好や令和おじさんなど人気が高かった菅総理だが、最近の支持率の急落は政権にも痛手に。その誤算は東京五輪とコロナだったと鮫島氏。「彼の読みでは五輪さえ強行開催すれば、必ずみんな喜んでくれるだろう、支持率も上がるだろうと。そこに一貫性はあるんです。ただ、つい先日も広島でスピーチの一文を読み飛ばすことがありましたが、この人気の急落で精神的にも体力的にもまいりつつあると思う。感染も拡大し、五輪でも支持率は戻らない。そうとう追い込まれているのでは」と指摘する。

 また鮫島氏は菅氏について「影の市長と言われていることでもわかりますが、しょせんはナンバー2の人」とバッサリ。「実はあまり批判されたことがなく、ここまで人生の非難の矢面に立つことはなかったんです。能天気で守る人がいてくれる世襲議員の安倍さんは気にしなかったけど、彼は良くも悪くも叩き上げで、誰かを隠れみのにのし上がってきた人ですが、今はむき出しの状態。この先の政治は、どう急展開してもおかしくない」と政局を憂いた。

 明日の市長選公示を前に河村Pは「選挙が近いとマスコミは静かになる。客観的にしか報道しない。これは日本のマスコミの欠落です。マスコミとしての役割が今問われている。どこかに与するのではなく、横浜市がどうなるか堂々と問うべきだ」と問題を提起しつつ、映画でそのぜひを問う、と説明。「私は選挙を意識した。この映画の争点は東京五輪であり、まさにど真ん中で公開しました。この映画を企画して始める時から決めていたことです。私の表現としては映画で影響を与えようとしましたが、今は映画こそ自由な表現が出来る。皆さんは今日、貴重なお金を払っていただいて、この映画を観ていただいた。そこには自由があるが、なぜ映画しかできないのか!と思う」と言葉に力を込めた。

 最後に一言メッセージを求められた鮫島氏は「コロナで社会的な危機になり、菅さんの能力がないことに誰もが気づいたと思います。でも菅さんは昨日今日、出て来たわけではなく、7年8ヶ月もの間、政府の広報担当として毎日会見しており、無能な政治家だとわかっていたはずなんです。それでも総理になってしまった。この映画は、日本の民主主義が前に進むきっかけになるのではないか、それを菅さんが示してくれたと思う。自分の問題として政治を捉えてほしい。秋の総選挙、私もひとりの市民として参加したい」と熱く呼びかける。

 内山監督は「映画の最後にも出てきますが、学生たちが日本の未来に夢を持てていないんです。僕の娘もそうなのかと思うと、なんて国に僕たち大人はしてしまったんだと。どうにかしないといけないという責任を感じます。この映画を観ると、現状の危機感やまずい点などを気がついてくれると思います。この映画が、選挙に行く、考えながら投票することにもつながっていければといいなと思います」と想いを込め、河村Pも「この映画を観た、これまでまったく政治に興味なかった若い人たちに聞くと、必ず投票に行くと全員が言ってくれました。そう思うとまだまだ希望がある。コロナなどで分断せず若い人へ託す意味でも、ぜひともみなさんでこの日本を支えていくことを、ぜひこの映画をきっかけにして伝えていけたらと心から思っています」と祈念した。