「五輪閉会式で選手が次々に途中退席 懲りない橋本会長「パリとの差に愕然」と酷評殺到」

以下、AERA.dot(2021/8/9 13:30)より。

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「日本人であることが恥ずかしい」

 SNS上でこう酷評の声が殺到したのが8日夜に行われた東京五輪の閉会式だ。

 閉会式は東京スカパラダイスオーケストラの演奏で、様々なパフォーマーが登場。リフティング、縄跳び、けん玉、スケートボードを演じた。NHK中継によれば、この演出は「東京の昼下がりの公園」の様子を再現したものだという。続いて佐藤健作氏による日本の和太鼓演奏、ダンサー・アオイヤマダさんのソロダンス、東京音頭などが行われた。

 五輪旗小池百合子都知事から3年後の開催地・パリのイダルゴ市長に引き継がれると、橋本聖子組織委員会会長、IOCトーマス・バッハ会長が挨拶。最後は俳優の大竹しのぶさんが子供たちと一緒に登場し、宮沢賢治作曲作詞の「星めぐりの歌」を合唱した。

「閉会式は2時間15分でしたが、正直長く感じましたね。五輪でトップアスリートの演技を見た後に、なぜダンスやスケボーを見させられるのか。橋本さんやバッハ会長の挨拶も『長い』と苦情が出た開会式の教訓を全くいかしていない。7分間のスピーチでしたが、選手たちは次々と寝そべっていました。閉会式の途中で選手村に帰る選手も多かったです。最後に出てきた大竹さんも気の毒でした。子供たちと共に美声を響かせていましたが、日本人を含めて世界の人達はこの演出の意味が全く分からない」(スポーツ紙記者)

 視聴者だけではない。現場にいた選手や関係者も微妙な雰囲気を察知したのだろう。フェンシングの五輪メダリストで国際連盟副会長の太田雄貴さんは、閉会式中に行われたIOC選手委員の就任式に出席。

 現場の様子を自身のツイッターで発信していたが、バッハ会長のスピーチ中は、「海外選手達がギブアップし、選手村に帰ったり、寝そべったりしている中、日本選手団はスピーチをしっかり聞いておられます。これは学生時代に校長先生に鍛えられた成果と推察しております」と笑いを誘っていた。

 SNS、ネット上では案の定、批判の声が殺到した。

「誰が演出したかわからないけど、シドニーや北京やリオの閉会式に比べて地味であったし、全体的に調和がとれてない。ただ乱雑に平凡な出し物の連続で見ていて、すごい、美しい、すばらしい、こんな印象は全然湧いてこなかった。日本には世界的な有名人が少ないから仕方がないけど、1年も延期して猶予の期間はあったのだからアニメ系を工夫して入れたら良かった。最後の大竹しのぶさんの登場は、日本人でもあんまり意味がわからず、聖火まで消してしまった。外国人の方が見て、なおさら意味わからなかっただろう」

「閉会式で相変わらず何が言いたいのか訳が分からんなあとうんざりしていたら、パリのプレゼンテーションを見て目が覚めましたMBXが会場を縦横無尽に走りながら紹介して『競技場から外へ』のコンセプトを明確に伝え、飛行機が市街地を低空飛行で飛び、マスクをしていない市民が密集してアスリートを祝福するプレゼンは、日本とは絶望的な差がありました演出家の技量の差が明確に出た閉会式であり、日本文化の素晴らしさを1ミリも伝えなかったこの演出家を選んだのは何故かと恥ずかしくなりました」

 閉会式を見たテレビ関係者も厳しい評価をこう下した。

「演者の方々は本当に頑張ってくれたと思います。演出がもう少し何とかならなかったと思いましたね。世界の人達に『どう見られるか』という視点が決定的に欠けていました。日本人に伝わらないのだから、世界中の人達に共感を得られるわけがありません。自己陶酔、自己満足の域を出ていないと指摘されてもこの内容なら反論しようがないと思います」

 開会式に続き、閉会式も選手が途中で退席し、寝そべった光景はあまり見たことがない。日本オリンピック委員会JOC)はこの現実を見てどう感じるだろうか。(牧忠則)