銀座・イエナ書店

impala.jp

 たまたまなのだが、イエナ書店のことが、池澤夏樹さんのHPに紹介されていた。一読してみたら、池澤夏樹さんのHPだが、守先正さんというブックデザイナーさんの書かれた文章で、ご本人が書いたものではなかった。

 銀座のイエナ書店といえば、俺にも思い出がある。

 1981年夏から1982年3月までアメリカ合州国に滞在したかけだし英語教師だった自分は、帰国後も、英語をマスターしたいと格闘していた。

 だから1982年頃より、研究日に東京に出かけると、芝のアメリカンセンター*1の図書館で作家のインタビューなどの動画を見て、その帰りとか、カット盤などのレコード漁りのあと、必ずといってよいほど通ったのが、銀座のイエナ書店であった。イエナではアメリカ合州国サブカルチャー*2、音楽関係の洋書などを購入していた。洋書といえば、ペンギンブックスなどペーパーバックや専門書のハードカバー、流行の新刊書でいえば、新宿・紀伊国屋書店日本橋丸善もあったが、遊び心のある洋書といえば、俺にとっては何と言っても銀座・イエナ書店であった。

 Robert Christgau のガイドブック"Christgau's Record Guide"など、このイエナ書店で、洋書をいろいろと買い求めた。

 この記事によれば、銀座・イエナ書店は2002年1月に閉店した*3ということだが、1990年代、インターネットが盛んになってきて、1990年代半ばにオンラインショッピングも登場してくると、本屋で本が売れなくなってくる。2000年代からさらに2010年代になると、確実に、小売店の本屋もCD屋さんも街から消えていった*4

 時代の流れとはいえ、淋しいことだ。

 ところで、「イエナ」(Jena)というのはどういう意味なのだろうか。

 ネットで調べてみると、ドイツの歴史の古い大学町がヒットした。イエナ書店と名づけた理由がこのドイツの都市と関係するのかどうかわからないけれど。

*1:戦後、デザイナーたちは、たとえばアメリカンセンターからたくさん自分の仕事のヒントをもらったという。洋書の雑誌も模範だったと聞いたことがある。

*2:いまや、俺の関心事であったサブカルチャーは、YouTube やインターネットでかなりアクセスできるようになっている。

*3:2004年の海外研修時期にイエナ書店の閉店について少しだけ触れているから、遅くとも2004年6月末頃までには閉店をすでに知っていたことになる。

*4:「Music Magazine」を読んで街に出かけたがCD屋さんがなくなっていた - amamuの日記