「学術会議元会長「官邸の難色に驚いた」16年人事を証言」

f:id:amamu:20051228113103j:plain

以下、朝日新聞デジタル版(2020/10/13 5:07)から。

 日本学術会議が推薦した会員候補6人が任命されなかった問題で、元会長の大西隆・東京大名誉教授(72)が朝日新聞の取材に対し、会議が提出した105人の推薦名簿を「見ていない」という菅義偉首相の発言を「無責任だ」と批判した。自らが会長だった時期の会員選考過程に、首相官邸がどう関わったのかも証言した。

6人の任命拒否どうみる
 ――学術会議が会員候補に推薦した105人のうち6人が任命されなかった。この中には安全保障法制や「共謀罪」法に反対の立場をとってきた人もいた。

 「理由を明らかにせず6人の任命を拒否したことは、大変遺憾だ。会員は優れた研究または業績のある科学者のうちから選ぶと、日本学術会議法にある。思想信条、政治的な立場は考慮しない。研究業績とは違う基準で任命拒否したとなれば、法に反する」

 ――菅義偉首相は、6人を除外する前の105人の推薦名簿を「見ていない」と発言した。一方で、6人を任命しない判断は安倍前政権でなく菅政権で下したと説明している。

 「学術会議は、会長名で105人の推薦名簿を任命者である首相に宛てて公文書で届けた。見ていなければ99人を選んで任命することはできないはずだ。矛盾しているし、無責任のそしりを免れない。任命を拒否された方々を愚弄(ぐろう)している」

(後略)

(聞き手・宮崎亮)