日本じゃ、普通の入学の決意が大変にむずかしい

 実はニュージーランドでは、こうした決意表明ができる学生は普通のことだ。日本なら、受験競争が厳しくて、ここにしか受からなかったから入学した、なんていうのが主流だろうけれど、競争が厳しくないニュージーランドならそうした変な学生は基本的にいないはずだ。
 式の帰りに連れ合いと感想を話し合って共通認識を得たのだが、ありきたりのスピーチが多い中、あの女子学生のスピーチだけが自分のコトバで語っていて、際立って素晴らしいスピーチだった。
 私の勤務する附属校でも、この女子学生のような普通で健全な学生がたくさんいる。
 彼女の入学の決意を聞いて、日本もまだまだ捨てたものじゃないと、私は心強く感じた。今の日本では、こうした普通で素晴らしい学生にめったにお目にかかることはできないからだ。
 日本以外の世界じゃ、普通の学生の意識なんですけどね。