Van Morrison の "Caravan"(1970)

 ヴァン・モリソン(Van Morrison) の アルバム"Moondance"(1970)からの一曲、「キャラバン」("Caravan")。

 タイトルの "Caravan" とは、生活しながら移動のできる、現代であれば、キャンピングカーやトレイラーのイメージなのだろう。

 もちろんこの唄で歌われるキャラバンはモダンなRVではなく、少なくとも年代物の、歴史や冒険心をくすぐる、ランタンを吊り下げたような、ノスタルジックなジプシーの荷馬車か自動車であろう。ただ、歌詞には「電気のライトのスイッチを入れろ」という一行もあるから、大昔の話ではないのだろう。

 キャラバン(caravan)のイメージは、旅(移動)と自由である。

 旅の道連れは、音楽や芸術を愛する仲間。季節は、旅にうってつけの晩春か夏。陽が沈んで夕刻、黄昏どきには、焚火もするだろう。旅先の楽しみといえば、ラジオや楽器で音楽を楽しみ、歌い、踊り、楽しみ、共同体を感じることもあるだろう。

 なぜラジオなのか。

 ひとつは音楽。そして、外とつながるラジオの不思議さ。ラジオはノスタルジアを感じる機器でもある。娯楽と通信手段。ラジオから流れる音楽が旅を彩り、暮らしを豊かにする。

 "Caravan"は、ノスタルジーあふれるVan Morrison の音楽賛歌・人生賛歌なのだろう*1

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 Van Morrison の "Caravan" の歌詞は以下を参照のこと。

genius.com

 以下は、拙訳。

そしてさらにキャラバンは進んでいく

楽しげなジプシーの演奏が聞こえる

ねぇ、ねぇ、エマ・ローズを見てよ

ほらラジオで遊んでる

ラーラーララ

ラララ

ラーラーララ

ラララ

 

キャラバンには俺の友達がたくさんいる

最後までキャラバンは俺といっしょ

ジプシーのロビンとやさしいエマ・ローズ

俺に必要なこと、すべて教えてよ

ラーラーララ

ラララ

ラーラーララ

ラララ

 

君のラジオの音量を上げてよ あの唄を聞かせてよ

明かりをつけてくれ

そうすりゃ、なにがまちがっているか見極められるから

ずっと抱きしめたいと望んでた、そうすりゃ、君を感じることができるから

やさしい夜の淑女 君を本当の姿にしよう

君が望むなら

音量を上げて 音量を上げて もうちょっと ラジオを

音量を上げて ラジオを

ラーラーララ

ラララ

ラーラーララ

ラララ

 

キャラバンは紅白に塗られている

それはみんな徹夜しているということ

はだしのジプシーのミュージシャンが

たき火のまわりで歌って演じる

そして彼女は自分の暮らしを語る

ラーラーララ

ラララ

ラーラーララ

ラララ

 

ラジオの音量を上げてよ あの唄を聞かせてよ

明かりをつけてくれ

そうすりゃ、なにがまちがっているか見極められるから

ずっと君をしっかり抱きたいと望んでた、そうすりゃ、君を身体で感じることができるから

やさしい夜の淑女 俺が君の本当の姿を見せてあげよう

君が望むなら

音量を上げて 音量を上げて ラジオ

音量を上げて それでいい 心があるね

ラジオ ラジオ 音量を上げて

ララララ

ララララ

 ヴァン・モリソンの「キャラバン」は、The Band の The Last Waltz (1978)での演奏が有名であり、また名演である。

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*1:本記事を書いてから、次のようなAIによる解説記事を発見した。Meaning of Caravan by Van Morrison