さだまさしの熱心なファンであったことは一度もない。
グレープの頃のさだまさしも知らない。「精霊流し」「無縁坂」のような歌が好きになれなかった。大ヒットした「関白宣言」のドーナツ盤を親父が買ったように記憶しているが、「関白宣言」がはやった頃も特に興味はなかった。
自分も自分の子どもをもって「案山子」はいい唄だと思うようにはなった。加山雄三夫妻が子どもが海外で暮らしていたとき「案山子」をラジオで聞いて心から「案山子」をいい唄と感じたと、そんなことを言っていたことを聞いたことがある。
「関白宣言」より、むしろ「関白失脚」が面白く感動的だ。みにつまされているだけの話なのだが、日本はこれでいいとさえ思う。
「親父の一番長い日」も悪くない。
さだまさしの語りは愉快である。まさに落語だ。
無理をせず、たまにはさだまさしも聞いてみよう。