「男はつらいよ 寅次郎の青春」を久しぶりに観た

寅次郎の青春

 海外で床屋に行くと、日本の床屋さんの技術の高さをあらためて感じることがある。
 これまで海外に滞在して床屋さんに行った場所といえば、カリフォルニア州のサンフランシスコ。ニュージーランドのハミルトン・ロトルアなどだが、洗髪はないし、カットした毛が洋服について閉口したことが少なくない。
 「男はつらいよ 寅次郎の青春」第45作では、なんといっても散髪の場面がいい。
 映画で床屋といえば、チャップリンの「独裁者」を思い出す。あとはあまり覚えていないが、フランス映画の「髪結いの亭主」か。
 本作のマドンナは後藤久美子ということだが、風吹ジュンではないのか。
 御前様役の笠智衆とさくら役の倍賞千恵子。源公役の佐藤蛾次郎のシーンもいい。
 満男と及川泉もいいのだが、断然蝶子役の風吹ジュンだろう。演技がうまいというより、配役・適役ということなのだろう。
 夏木マリ永瀬正敏もいい。
 本作では、黒澤明のいうところの映画になっている場面が多いと思う。
 1992年公開。