以下、朝日新聞デジタル版(2020/3/6 18:24)から。
どうか、全小中学生が納得できるような、心にぽっかり空いた穴を埋めてくれる説明を求めます――。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、突然決まった一斉休校をめぐり、大阪市の中学生がそんな要望を掲げ、署名活動に取り組んだ。今月2日、生徒93人の名簿を市教育委員会に届けた。
署名を集めたのは大阪市港区の市立市岡中の生徒たち。呼びかけの中心となった3年生の藪下慶人さん(14)は2月27日夜、「学校、明日で終わりやって」と友達から知らされ、ショックを受けたという。
3月13日の卒業式まで2週間。「一日一日を大事に過ごしたい」と、残り日数を毎日数え、公立高校の入試(11日)が終わったら、みんなでご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりしよう――。そんな計画も立てていた。
卒業式は1時間以内に短縮され、卒業証書の手渡しは代表者のみと決められた。式に向けた歌の練習もなくなった。休校の理由について、具体的な説明を受けられないまま、慌ただしく学校は休みになった。
93人、それぞれの思い
「自分たちは蚊帳の外で、大人たちの納得だけで進められている」。そう感じ、署名を呼びかけるため、悶々(もんもん)とした自分の思いを書き上げた。(後略)
(坂東慎一郎)