「スコップでトイレの穴、CO中毒を警戒…関越道立ち往生」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020/12/18 19:18)から。

 大雪による関越自動車道の立ち往生は18日、発生から3日目の夜を迎えた。身動きもままならない車中で疲労と不安が重なる一方で、立ち往生の車の台数が誤って発表されるなど、混乱する場面もあった。19日からは再び大雪となる見込みで、警戒が必要な状況が続きそうだ。

 「夜はまともに寝られず、不安で心も休まらなかった」。18日午後2時ごろ、関越道六日町インターチェンジ(IC、新潟県南魚沼市)から一般道に出てきた同県魚沼市の会社員男性(47)は、疲れた様子でそう話した。

 17日朝、自宅から南魚沼市の会社に向かって小出IC(同県魚沼市)から関越道に。しかし、まもなく車が進まなくなり、以来、30時間以上を道路上で過ごした。排気口が雪でふさがると一酸化炭素中毒の恐れがあるため、1時間おきに起きてチェックした。「除雪車が来てようやく安心できた。早く帰りたい」

 16日午後8時から丸2日近い約42時間滞留したという運送会社員の竹田大輔さん(30)は、新潟県内で荷をおろし、大型トレーラーで横浜市の会社に戻る途中だった。水など約6リットルを持っており、少しずつ飲んだり、温めて頭を洗ったりした。「早くお風呂に入りたい」と話した。

 17日朝から30時間近く立ち往生した新潟市の男子大学生(21)は、道路脇の雪山にスコップでL字形の穴を掘り、トイレに使った。18日昼、到着した自衛隊員が車の周辺を除雪してくれ、胸をなで下ろしたという。「二度と経験したくない。今後は出発前日には道路状況を調べたい」と話した。

 NEXCO東日本によると、18日朝の時点で下り線の立ち往生は解消。上り線にとどまる車は「約70台」と発表したが、その後、小出IC―塩沢石内IC(同県南魚沼市)に約1千台が滞留と訂正。夕方には670台まで減ったと発表した。

 同社は18日も除雪作業を続けたが、解消は19日朝になる見通し。立ち往生した運転手らのうち希望者をバスでホテルに運ぶ方針を示した。新潟県によると、夜までに意向を確認し、希望者には湯沢町などのホテルに宿泊してもらうという。