明日の結婚式に招待される

 今日は、結婚式前日だから、相手方の親族もハミルトン入りしている。
 親族紹介もかねて、トムの親戚はもちろん、ナタリーの新郎の親戚も、トムの家に来て、今夜はバーベキューパーティをやることになっている。
 ハミルトンにあるトムの家も、自宅のベランダから抜ける庭が広いから、20人くらいのパーティは、平気でできる。ガレージ同様、こうした住環境も大変羨ましい。
 パーティは、まず飲み物。そして、チップスをいろいろなソースでディップしたものを食べることから始まる。
 そしていよいよバーベキュー。トムが、テリヤキソースか何かでマリネされたチキン、マトン、ソーセージ、ビーフステーキを焼きだす。バーベキューで肉を焼くのは、男の仕事だ。
 結婚式を取り仕切る公証人もパーティに参加しに来た。
 ここ数日、ジュディはナタリーへの贈り物として、パン焼き器や電気炊飯器を包装紙で包んでいた。バーベキューに招待された私は、ロサンゼルスから買ってきたチョコレートを持参した。
 実はホームステイの家、つまりアレックスとジュディの家で孫の二組の結婚式が予定されているので、どう対応したらいいか、とまどっていた。プレゼントをあげたら、招待して欲しいという意味にとられかねないし、かといって何にもお祝いをしないというのもどうかと思っていたからだ。
 相手方も、誰かがホームステイしているからといって、必ず招待しないといけないというものでもないと思っていたのだろう。結婚式は身内家族のことであり、他人には基本的に関係がないからだ。だから周りも少し困っていたのかもしれない。
 ナタリーが私に明日の結婚式に出席したいですかというので、喜んでと私は答えた。
 ということで、急遽、私も結婚式に出席することになった次第だ。 
 前日結婚式に招待されたのは初めての経験だけれど、ニュージーランドの結婚式はきどりがないから、こんな招待の仕方もできるのだろう。
 こちらでは、新婚家庭に必要なものをみんなでプレゼントするという形式なので、欲しい物のリストの最後に書いてあるものを贈りたいから、欲しいものを教えてと、私がナタリーに言うと、その必要はないと言う。
 お世話になりっぱなしというのが嫌いな私にとっては、こういうのが大いに困るのだが、それはともかくおめでたい席だから、明日の結婚式が楽しみだ。