小選挙区制度は民意を正しく反映する選挙制度なのか

 まず、第一に、小選挙区制度である。以前から言われていることのひとつに、小選挙区制度は、多くの死に票(死票)をつくる。どんな制度も、民意を反映するという点で完全ではないのだが、小選挙区制は、民意を反映するという点で、大きな問題があると私は考える。今回のような進め方では、議論など成立しない。それは民主主義の死を意味する。
 第二に、マスコミの報道姿勢である。
 今回、「刺客」や「小泉劇場」というコトバに代表されるように、郵政民営化に賛成か否かという、自民党分裂選挙ばかりがマスコミでもてはやされ注目された。
 これは、自民党が、ますます小泉自民党になるのかどうなのかという意味では、大きな問題ではあるが、国民の要求の視点からすれば、結局自民党内の分裂選挙であり、基本的には自民党という大きな選択肢の中での「選択」に他ならない。
 一方、結果的に功を奏さなかったけれども、民主党が訴えた二大政党論や政権交代論だって、民主党という政党には自民党から分かれた議員も少なくない。民主党の政策は、そもそも自民党的であり、国民からみて寄せ集め的政党の印象もぬぐえなかったのだろう。それなら、小泉首相による自民党「粛清」、反小泉「抵抗」勢力を整理したうえでの小泉自民党の方が、「一貫性」や「指導力」、それに「面白さ」がありそうだ。そうした風が、「改革」の名のもとに、都市部でも吹いたのかもしれない。大衆のもつ不満や憎悪のはけ口が、こともあろうに、自民党支持の票へとつながったのだろう。