早稲田大学の補助金私的流用事件

 「早稲田大学のがけっぷち」という題名で、早稲田大学補助金不正事件がアエラに載っていた。
 理工学部の松本和子教授による流用総額は1470万円。「実際には働いていない学生ら15人に「アルバイト代」として支払った後、松本教授名義の口座に振り込ませて、還流していた」とされる事件で、松本教授は指摘流用については否定しているが、アエラによれば「投資信託にして運用し、研究期間が過ぎた今でも保有している」という。
 関係者が述べているように、「これは教授個人の問題ではない。組織としての経理のずさんさや、法令遵守力の低さを世間に露呈したスキャンダル。大学の存亡にもかかわる一大事だ」という見方が正確なようだ。
 文科省による13億円の支給凍結は早大がもつ外部資金の「2割近くに相当する」というから、まさにこれはお家の一大事である。
 松本教授は「2001年にアメリカの科学誌に掲載された研究論文をめぐってデータをねつ造した疑いも浮上」していて、早大が調査をすすめている。データねつ造がもし事実だとしたら、それ自体が大変なことである。