便宜供与は103億円

amamu2007-12-04

 前防衛事務次官守屋武昌容疑者による収賄事件で、東京地検特捜部の調べによれば、便宜供与が103億円に達しているとしている。
 以下は毎日新聞からの引用。

<防衛汚職>便宜供与は103億円
12月4日2時30分配信 毎日新聞


 前防衛事務次官守屋武昌容疑者(63)による収賄事件で、東京地検特捜部が逮捕容疑を裏付ける便宜供与を、ミサイル誤誘導装置、生物剤検知装置、次世代護衛艦エンジンの三つに絞り込んでいたことが分かった。防衛専門商社「山田洋行」元専務、宮崎元伸容疑者(69)側の利得は3ルートで約64億円、他に便宜供与の疑いがある次期輸送機(CX)エンジンを加えると約103億円に達する。

 山田洋行はわいろ(約389万円)の約2600倍もの不正な契約を取り付けていたことになる。最初の便宜供与は02年2月。敵のミサイルの照準をずらす「チャフ・フレア・ディスペンサー」の過大請求発覚後、前次官は担当者に「不利にならないように」と指示。このため、山田洋行は取引停止処分を免れた。通常通り処分されていれば、02年度は防衛庁との契約が不可能になり、中央調達分だけで約31億3000万円の利益を失っていた計算になる。

 さらに過大請求発覚の9カ月後に当たる同年11月には、CXエンジンのメーカーを選定するための公募があり、処分を受けていれば山田洋行は最有力候補の米ゼネラル・エレクトリック(GE)から代理店契約を解消され、04年度の3基約26億4000万円、05年度の2基約12億5000万円の計約39億円を受注できなかったとみられる。

 2度目の便宜供与は05年2月。前次官は生物兵器を検知する生物剤検知装置の発注直前、山田洋行の子会社を後押しする指示を出した。その結果、山田洋行の子会社は04年度に4台約15億3000万円、05年度に2台約8億5000万円、06年度に2台約9億3000万円と計約33億円の受注に成功した。

 イージス艦を護衛する次世代護衛艦のエンジンでも06年12月、ライバル社の製品に疑問を呈する発言を行った。ただ、まだエンジン選定について最終的な結論が出ていないため、元専務側は受注に成功していない。

 山田洋行防衛省との契約額(地方機関分除く)は00年度は約159億円だったが、01、02年度と年々減少し、03年度は約25億円まで落ち込んだ。しかし、04年度はCXエンジンの受注などから約41億円、05年度も約43億円と回復しており、便宜供与が山田洋行を支えた形になっている。