映画"Precious"を観た

Precious

 ニューヨークは1980年代のハーレム。アフリカ系アメリカ人ティーンエージャーの女の子・クレアリース・プレシャス・ジョーンズの背負ったものはあまりにも過酷なものだった。貧困と暴力、近親相姦という性的暴力。親から子、子から孫ににつながる貧困と無知の連鎖を断ち切る展望はなく、教育はあまりに無力である。しかしながら、そうした絶望の淵から抜け出すためには、非力に見えるその教育に頼らざるをえないのも事実であり、Each One Teach One*1というフリースクールでプレシャスはミズ・レインという先生と出会う。
 さらにプレシャスに降りかかる過酷な状況が続くのだが、そうした絶望的状況の中でも、プレシャスは明日を見出せるのか。
 原作はサファイアリー・ダニエルズ監督。
 製作総指揮は、オプラ・ウィンフリー

*1:最初に誰が言い出したのかわかっていないが、Each One Teach Oneというフレーズは、そもそもはアフリカから渡って来た表現であり、アメリカ合州国では、奴隷制の時代に、読み方をはじめ、アフリカ系アメリカ人(黒人)の教育権が否定されていた時期に由来する。学んだら次に教えるという相互扶助的な自主的学習運動をイメージさせるEach One Teach Oneというフレーズは、"Precious"という映画の中では、オールタナティブの学校名になっている。