「自殺生徒は「学習障害」「能力異常に低い」教職員が発言」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年2月27日19時56分)から。

 山口県周南市で2016年、県立高校2年の男子生徒(当時17)が自殺したことをめぐり、教職員が県の調査検証委員会の聞き取り調査に対し、「いじられて嬉(うれ)しい人もいる」などと発言していたことがわかった。生徒の両親は27日、記者会見し発言を批判。県教育委員会に、いじめ自殺に関係した教員の処分や再発防止などを申し入れた。

 検証委は昨年5~11月、教職員20人にいじめの有無について聞き取り調査を実施。今月5日に公表した報告書とともに、調査概要をまとめた非公表の文書を遺族に渡していた。

 両親によると、非公表の文書には複数の教職員が聞き取り調査に「(からかいや揶揄(やゆ)などで)いじられて嬉しいという人もいる」「(男子生徒は)学習障害」「能力が異常に低い」「(いじめに)大きな問題はない」などと発言したと記載されていた。

 検証委は「いじりと呼ばれていた行為は、いじめにあたる」と報告書で認定した。両親は会見で、こうした発言について「激しい憤りと強い疑問を感じずにはいられない」と批判。母親は「同じことが繰り返されないよう、県教委は学校を指導してほしい」と語った。

 両親はこの日、いじめが自殺の主な要因と認定した検証委の報告書を踏まえ、「いじり」は「いじめ」だとの認識を学校現場に徹底▽教員向けにいじめ防止の研修を実施し、経過と成果を遺族に報告▽いじめ自殺に関係した教員の処分――などを求める申入書を県教委に提出した。

 県教委学校安全・体育課の原井進課長は両親に対し、いじめ自殺を防げなかったことを「心からおわびを申し上げます」と初めて謝罪。申入書の内容については「検討し、丁寧に対応したい」と話した。(棚橋咲月)

県の調査検証委員会が実施した聞き取り調査に対する教職員の主な発言
・「いじられて嬉(うれ)しいという人もいる」

・「(自殺した生徒は)学習障害」「異常に字が汚い」「能力が異常に低い」

・「(携帯用ゲーム)ポケモンGOがすごく流行(はや)っていた。ゲームも好きそうだったので、それが原因だった」

・「いじられながらも相手をしてもらった方がいい」

・「(遺族の)お父さんは今回大きな『いじめ』があったと思っているかもしれないから、これを説得するのは難しいかもしれないけど、大きな問題はない」

・「靴下の色を言われてむかつく人もいるし、何とも思わない人もいる」

・「自分たちはいじりを行っていた生徒も知っているが、みんな良い子」

※遺族が山口県教委に提出した申入書から