「横浜カジノ「反対」64% 市民対象に朝日新聞社世論調査」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年10月2日5時0分)から。

 カジノを含む統合型リゾート(IR)について、朝日新聞社は9月28、29の両日、横浜市民を対象に電話による世論調査をした。横浜へのIR誘致は反対が64%で、賛成の26%を大きく上回った。女性の77%は反対だった。反対の理由は「治安の悪化」を挙げた人が多かった。

 横浜市の林文子市長は8月、横浜港・山下ふ頭への誘致を表明した。この誘致に対する賛否を聞くと、すべての年代で反対が半数を超え、60代は70%、70歳以上は75%が反対だった。支持政党別にみると、自民支持層では賛成44%、反対45%と賛否が割れたが、無党派層では反対が68%で、賛成の20%を大きく上回った。立憲民主支持層、公明支持層では、いずれも大半が反対だった。

 誘致反対の人に理由を3択で聞くと、「治安が悪くなる」が最も多く57%。「ギャンブル依存症の人が増える」の26%が続いた。林市長は、誘致を表明した会見で「ギャンブル依存症の人を増やさない取り組みや、治安対策の環境が整ってきた」と説明したが、この説明には「納得できない」が70%。「納得できる」の14%を大きく上回った。誘致に賛成の人でも「納得できる」は39%にとどまった。

 誘致について、林市長は2017年の市長選では、「白紙の状態」と説明していた。8月になって誘致を表明した姿勢には「納得できる」は27%で、「納得できない」は58%。特に女性は72%が「納得できない」と答えた。林市長の支持率は35%で、不支持の34%と拮抗(きっこう)した。(武井宏之

 ■全国は「反対」71% 地元への誘致

 朝日新聞社が9月14、15日に実施した全国世論調査(電話)で、IRを自分が住む地域に誘致することへの賛否を聞くと、賛成20%、反対71%だった。横浜市民調査とは調査手法などが異なるため、単純には比較できない。

 全国調査の結果を地域別にみると、東京都は賛成24%、反対69%に対し、大阪府は賛成38%、反対49%。大阪や和歌山を含む近畿地域でみても賛成28%、反対59%と全国平均より賛成が多かった。北海道や、東京を含む関東地域、名古屋を含む東海地域はいずれも賛成が2割前後。長崎を含む九州地域は賛成15%、反対76%だった。(植木映子)

 ■質問と回答

 (数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率)

横浜市の林文子市長を支持しますか。

 支持する35▽支持しない34

横浜市は、ギャンブルができるカジノを含む統合型リゾートを山下ふ頭に誘致すると発表しました。統合型リゾートの誘致にどの程度関心がありますか。

 大いに関心がある24▽ある程度関心がある37▽あまり関心がない19▽全く関心がない19

◆ギャンブルができるカジノを含む統合型リゾート横浜市に誘致することに賛成ですか。

 賛成26▽反対64

◇(「賛成」と答えた人に)それはどうしてですか。

 楽しそう6▽経済が活性化する49▽市の税収が増える43

◇(「反対」と答えた人に)それはどうしてですか。

 イメージが悪くなる8▽ギャンブル依存症の人が増える26▽治安が悪くなる57

横浜市統合型リゾートができたら、カジノに行きたいと思いますか。

 カジノに行きたい13▽そうは思わない86

◆林市長は今年8月、カジノを含む統合型リゾートを誘致すると表明しました。このことで林市長に対するイメージはよくなりましたか。

 よくなった2▽悪くなった44▽変わらない49

◆林市長は2017年の市長選では、統合型リゾートについて「白紙の状態」と説明していましたが、今年8月になって誘致を表明しました。林市長のこうした姿勢に納得できますか。

 納得できる27▽納得できない58

◆林市長は、統合型リゾートの誘致を表明した際に「ギャンブル依存症の人を増やさない取り組みや、治安対策の環境が整ってきた」と説明しました。この説明に納得できますか。

 納得できる14▽納得できない70

統合型リゾート誘致の賛否を問うため、改めて市長選を行うべきだと思いますか。

 改めて市長選を行うべきだ41▽その必要はない49

統合型リゾート誘致の賛否を問う住民投票を行うべきだと思いますか。

 住民投票を行うべきだ59▽その必要はない33

 <調査方法> 9月28、29の両日、コンピューターで無作為に作成した固定電話番号に調査員が電話をかけるRDD方式で、横浜市内の有権者を対象に調査した。有権者がいる世帯と判明した番号は1804件、有効回答は1003人。回答率は56%。