「「天皇陛下の公的行為」が増加 高まる懸念「政治利用」」

f:id:amamu:20051228113059j:plain

以下、朝日新聞デジタル版(2019/11/3 22:00)から。

宮中晩餐(ばんさん)会で乾杯を終え、トランプ米大統領に拍手を贈る天皇、皇后両陛下=2019年5月27日午後7時51分、皇居・宮殿「豊明殿
トランプ米大統領夫妻を出迎える天皇、皇后両陛下=2019年5月27日午後7時1分、皇居・宮殿
 令和初の国賓として新天皇陛下と会見したのは、トランプ米大統領だった。

【詳報】即位の礼を振り返る 天皇、皇后両陛下の1日
【特集】皇室とっておき
【特集】令和・即位の礼
 昨年11月、安倍晋三首相から招待を受けたトランプ氏の反応は「その行事は日本人にとってスーパーボウルより大きいのか?」。退位に伴う新天皇の即位を、米プロフットボールNFLの王者を決める一大イベントにたとえて聞いた。首相は「もちろん。200年ぶりですから」。トランプ氏は5月の訪日を決めた。

 日米貿易交渉が合意に至る前のこと。政府関係者は「これで関税が安く抑えられるなら安いものだ」と言ったが、こうした経緯にも「天皇の政治利用」との批判は高まらなかった。

 かつては違った。

 天皇は戦後の新憲法で象徴となると同時に、国政への関与を禁じられた。天皇は首相の任命や法律の公布といった「国事行為」のみを行う、と憲法は定める。

 1951年10月、昭和天皇が国会開会式での「おことば」で、前月のサンフランシスコ講和条約締結について「諸君とともに、誠に喜びに堪えない」と述べると大きな議論が巻き起こった。全面講和論もある中、政府が西側中心の片面講和に踏み切ったことから、天皇の政治的発言として批判を受けた。国会開会式でのおことばや天皇が各地をめぐる巡幸は、そもそも憲法上許されるのかという憲法議論に発展し、「公的行為」の考え方が生まれた。

(後略)

二階堂友紀