以下、朝日新聞デジタル版(2020年5月25日 5時00分)から。
新型コロナウイルスに感染して死亡した人の実際の数が報告より多い可能性が世界的に指摘され、今年の死者数が近年の平均を上回る「超過死亡」が関心を集めている。国内の死者の報告は830人超。新型コロナの感染が見逃されたまま亡くなった人が国内でどれほどいるのか。
世界各国で「超過死亡」 コロナ死者、発表数より多い?
22日の衆院厚生労働委員会で警察庁は、3月中旬以降に自宅や、路上から搬送後などに亡くなり、死後に検査して感染がわかった人が全国で23人いたと明らかにした。半数以上が東京都内だ。
この人たちは結果的に感染が確認されたが、見逃しが起こる余地がある。3月の死者のうち、都監察医務院が23区内で不自然死として調べたのは1120件(速報値)。2019年3月の1198件、18年3月の1214件より少ないが、死因を医師が判断する検案や解剖時のPCR検査は十分でない。千葉大法医学教室の岩瀬博太郎教授は「市中感染の程度からみて、不自然死した人の中で見逃された人もいるはずだ」と指摘する。
(後略)
(市野塊、野口憲太)