「急転直下の「無観客」、北海道知事決断 有観客から一転」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/7/10 12:30)から。

 札幌市の札幌ドームで行われる東京五輪サッカー予選について、鈴木直道知事は9日深夜、緊急記者会見を開き、無観客とすることを決めた、と発表した。大会組織委員会と協議し、了承を得たとしている。札幌ドームでのサッカー予選の観客問題をめぐっては9日夕、組織委が観客を入れて行うことを発表しており、急転直下で決定が百八十度変わる事態となった。

 9日午後11時20分、会見会場に現れた鈴木知事はこう切り出した。

 「ついさきほどまで組織委と協議を続けておりました。札幌ドームでの競技については無観客といたします」

 そのうえで、「道民の安全安心を最優先に考えた結果、無観客で行うことが適切であると判断した」と説明した。

 新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言などにより東京都などの「無観客」開催が決まったことを受け、鈴木知事は「全国で統一的な対応が必要」として、札幌でも無観客開催を求めていた。

 「有観客」決定後の9日夕の記者会見で鈴木知事は、「(組織委に)統一的な取り扱いが必要だと繰り返し申し上げてきたが、理解いただけなかったことは残念に思います」と述べ、あくまでも有観客開催を決めたのは組織委だ、と言外ににじませていた。

 そのうえで、有観客とする場合、組織委に対し、1都3県から「実質的に観客が来ない対策」を講じる▽それ以外の地域の観客については空港でPCR検査を行う▽午後9時以降の試合は無観客とする――の3点を求めたことを明らかにしていた。

 鈴木知事は9日深夜の会見で、「実効性のある対策を求めたが、(実現は)無理と判断した」と話した。

 札幌ドームでのサッカー予選は21、22、24、25、28日の5日間、男子6、女子4の計10試合が行われる。女子日本代表「なでしこジャパン」の試合は21日にカナダ戦、24日に英国戦がある。男子はスペインやアルゼンチンなどが登場する。

 各日1日2試合あり、第2試合は夜の開始で、終了が午後9時を過ぎる。(榧場勇太、中野龍三)