北周りルートは止めた

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 来月2月18日に、このコンド(集合住宅)のTrinityを出ることにした。
 広いアメリカである。これでも時間的に足りないだろう。かなり絞らないといけない。2月18日に旅立つかと思うと、せわしなくなってきた。
 Bank of Americaで聞くことにするが、お金のこと。本の郵送。ガス・電気・電話の後始末等々。
 ルートだが、北周りは止めた。
 ロッキー山脈のデンバー、そしてシカゴは例年でもとても寒く、2月に行く気がしない。日本でも報道されているだろうが、今年は厳寒で死者まで出ている。
 それで、南周りに変更した。
 リノ(Reno)・ラスベガス(Las Vagas)、この2つのどちらも賭博で有名だが、私は興味がない。けれども、ロサンゼルス経由で行く気がしないので、バス旅行ならリノやラスベガスを回らざるをえない。こうなれば、どうせ日本に帰る便が飛び立つロサンゼルスは最後に行かなければならないので、フィーニックス、ツーソン、エルパソ、サンアントン、ヒューストン、ニューオリーンズ、アトランタナッシュビル、ワシントン・フィラデルフィア・ニューヨーク・ボストンなどの東部をまわり、帰りはできれば北回りでロサンゼルスに戻ることにしよう。特に行きたいところということではなく、ざっと回ってアメリカ合州国の広さを見たいのだ。名所を見なければという気持ちはない。街並みをただ歩いてみたい。それでも、やはりニューヨークは行ってみたい気持ちが強い。

 昨日、Japan Centerへ行こうと、Gearyのバスに乗った。Japan Centerに近くなった頃、中国人か、私の方に近づいてきた。薄汚れた名刺を差し出すので、何かの勧誘かと思って無視しても、諦めないので、”I don’t understand what you’re talking about.”と言うと、寂しそうにしている。ハッと気づき、”Do you wanna go there?”と尋ねると、嬉しそうに笑う。Clement St.は、聞いた通りだが、覚えがない。その牧伸二に似た酒臭い男を、最初ポン引きか何かと思って無視していたのだが、何故か自分を見ているような気になり、親切にしてやりたくなった。もっとも、親切にするといっても、自分がまず地図を見なければならないほどの能力と資格しか持ち合わせていないのだが。紀伊国屋書店で地図を入手しようと一緒に降りて、紀伊国屋まで連れて行く間に尋ねると、2日前に台湾から来たとのこと。それで友達を頼っていくところだという。サンフランシスコの地図を1.05ドルで買って、道を示し、使った地図を最後にpresentだと言って渡すと、「そんなことダメです」(No, no, no…)と言う。
 Gearyのバスは違うバスだと思って彼を下ろしてしまったのだが、正しいバスだった。