シーカヤックのガイドとツアー仲間に会う

 シーカヤックの会社の受付に到着して中に入ると、本日のシーカヤックガイド役の若い女性の紹介を受ける。彼女の名前はパニア(仮名)。来年は、ウエリントンのビクトリア大学に行く予定だという。私の娘くらいの年齢かもしれない。昼食は、ターキーのサンドイッチで大丈夫かと聞かれる。ベジタリアンに対する配慮だろうが、私は何でも大丈夫なので、食べ物についてあまり細かなことをこれまで言ったことがない。
 シーカヤックを出せる海岸までカヤックを引いて車で移動する。カヤックを積むカートなどを牽引するためのアタッチメントが車の後尾についているのはこちらの常識だが、日本では結局カッコだけの場合も少なくない。が、こちらではこれは本当に実用的な意味がある。
 私たちの一団は、奥さんの名前がリン(仮名)というメルボルンの若夫婦と、その共通の男性友人であるアンディ(仮名)の三人組。それにガイドのパニア。それに私で、五名のグループである。若夫婦共通の友人の彼はスコットランド(Scotland)出身で、大学時代からの仲良しらしい。今はクライストチャーチで働いているという。ガイド役は一人艇に乗り、私たちは二人ずつ艇に乗るというので、私が誰かと乗らないといけない。
 まずは協力してカヤックを降ろす。私のカヤック体験は、ハワイ島での初体験と去年のクレイドルマウンテンのダブ湖での体験で、それぞれ娘と息子と経験した。パニアの説明では、前に乗る者が動力でいわばエンジンの役割を基本的に果たし、後に乗る者が舵取りの役を果たすという。さて、どういう組み合わせで艇に乗るかだが、若夫婦で一艇、アンディと私で一艇という、ごく自然な組み方となった。前後に関しては、私が前に乗ることにした。
 カヤックの乗り方について、パニアのレクチャーが続く。カヤックには結構荷物が詰めるが、ゴムで密閉し蓋をするので防水性は高い。上半身に着るウェアはラバー状の前掛けのような形状になっていて、艇に乗り込んでから、この前掛けラバーで自分が入った穴をふさぐ。これは身体を濡らさないためで、ベテランになると、シングルカヤックを横転させて身体ごと水中に入り、水中から出たりできるようにもなる。それほど防水性が高い。