あああ、ケーシー!

居座るケーシー

 今朝起きて、いつものようにケーシーに朝食を与えようとすると、なんだか匂う。
 昨日、奴のために特別に開けてやった魚の缶詰の臭いがまだ残っているのかなと思ってみたが、それとも違う。私の部屋に戻ってみると全く匂わないのだが、台所に行くとやはり臭い。
 朝食を済ませるとケーシーはいつものように、外出。
 あちこち調べてみたら、あああ、この家の中では一番いい客室の絨毯の隅っこに、してあった!
 こりぁ、絶対にケーシーの仕業だ。昨日の日曜日は、全部の部屋に掃除機をかけて、トイレ掃除までしたというのに!
 近頃は、私も課題に追いまくられているので、夕食を済ませると、自分の部屋にこもって勉強をしている。ケーシーがドアのところまで来てニャーニャーとせがんで鳴くのだが、申し訳ないけれど、無視して課題に取組んでいる。
 構ってもらえないストレスなのか、結構大きいのが、四本ほどしてあった。幸いなことに、ゆるくなく、ほどよく少々乾燥しているので、トイレットペーパーで始末をして人間用のトイレに流した。
 家中の窓という窓を全部開け、この前買ってきたラベンダーのトイレ用消臭剤を、部屋に散布するけれど、なんだかいろいろな臭いが入り混じって、ますます変な匂いになってきて臭い。
 ケーシーが家に入ってきてまた朝食を食べようとするので、お前のせいだぞとばかりに消臭剤を近くに撒いて、少し意地悪をしてやった。ケーシーはラベンダーはお気に入りでないらしく、キャッとすばしっこく逃げていった。
 さて、ケーシーにご飯の残りをやっても、こいつは食べない。
 ケーシーは米のうまさを知らない根っからのキーウィーだ。だから私もイギリス語で話しかけることが多いけど、戻ってきたケーシーに「家の中でしちゃダメだよ」と眼を合わせて今日はきつく日本語でしかったら、ばつが悪いのか眼をそらしている。
 これまで私は猫なんか飼ったことがないので猫とのつき合い方がわからない。
 大体、猫がこんなに淋しがり屋だとは知らなかった。これまで私が抱いていた、独立心が強く、孤高のイメージとは、大違いだ。