300キロのクロコダイルを相手にして60歳の女性が友人の男性を救う

クロコダイル・ダンディー

 オーストラリアのクイーンズランド州で、60歳の女性が300キロのクロコダイルを相手にして友人の男性を救ったというニュースが、昨日1チャンネルで報道されていた。
 デイリーテレグラフによれば、このアリシア=ソロハンさんは、三組のブリズベン在住の家族と一緒に、人里離れたバサースト湾(Bathurst Bay)で、恒例の休日の楽しみとして、四輪駆動車で釣りをしに来ていてキャンプ中だった。クロコダイルが彼女の友人のアンドリュー=カーさんをテントから引きずり出したときに、彼女がクロコダイルに挑みかかり、友人を救出したという勇猛果敢な話だ。
 テレビ放映では、頭を撃ちぬかれたクロコダイルと、少し血まみれになっているアリシアさんが担架で運ばれている場面が映し出されていた。
 被害者アンドリューの奥さんのダイアンは生後三ヶ月の息子ケリーと一緒にテント内にいたらしいが、ドスンという鈍い音がした方向を見ると、クロコダイルが被害者に向かって飛びかかっていたという。クロコダイルが襲いかかっているときに、被害者は「赤ん坊を、赤ん坊を」と叫んだが、クロコダイルは彼の両足をくわえて、テントからアンドリューさんを引きずり出したというから怖い。
 ソロハンというこの60歳の女性は、友人の叫び声を聞きつけて、クロコダイルに飛びかかり、腕で顎を締めつけたところを、息子のジェイソンがクロコダイルの頭を撃ち抜いたらしい。
 今年の4月に、ブリズベン郊外にあるラミントン国立公園を私が訪れた際にガイドが言っていたけれど、オーストラリアの北部にはクロコダイルがうじゃうじゃいるという。毎年、死亡者もめずらしくないと言っていたから、なんともすごい。
 けれども、なんといっても驚かされるのは、60歳のこの女性の機敏な動きである。クロコダイルは最後に頭を撃ちぬかれたというから、当然、キャンプ中に銃も持参していたわけだ。
 ブリズベンの、ある大学を私はキャンセルしてニュージーランドに来たから、こうした事件は人ごとではない。ブリズベンに住んでいたら、グレイトバリアリーフのサンゴ礁をはじめ、オーストラリアの大自然を訪れて、とくに人里離れたところでキャンプをしようと思っていたからだ。もっともブリズベンから、これらの地域はとんでもなく遠く離れているのだけれど。
 いずれにせよ、自然をなめてはいけない。

 1チャンネルのニュースはこちら。
 Heroic gran wrestle with croc(「勇敢なおばあちゃん、クロコダイルと格闘」)
http://tvnz.co.nz/view/news_world_story_skin/452724%3fformat=html

 私が見たニュースを、インターネットなら、ビデオで見ることもできる。
 私の職場の同僚のオーストラリア人は、学期末試験前の時間に「クロコダイルダンディー」と12月には「ホームアローン」をよく見せていたが、今回の話はまさにクロコダイル・グラニーだ。オーストラリア人は、どうやら自然に対する鍛え方がわれわれとはかなり違うようだ。
 ちなみに、ニュージーランドは、同じオセアニアといっても、毒性のある動物はいない*1
 トランピング*2も安全。
 どうかご安心を。

*1:私の知り合いのアメリカ人は、オーストラリアとニュージーランドと、どちらに滞在したいかと問われれば、毒性の動物がいないという点で、ニュージーランドを選ぶと言っていた。

*2:トランピングは、ハイキングのこと。オーストラリアでは、ブッシュウォーキングというが、ニュージーランドでは、トランピングと呼ばれることが多い。